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2020.07.23

大会情報

NY便り「錦織圭が出場予定だったATPツアー開幕戦『シティ・オープン』中止の背景とは?」

まさに寝耳に水だった
ツアー再開大会中止

7月21日、ATPツアーの再開大会として予定されていた「シティ・オープン」(アメリカ・ワシントンDC/ATP500)の中止が、突如発表されたのだ。

この発表に、トーナメントの運営者であるマーク・アイン氏が、アメリカスポーツ専門チャンネル『ESPN』のインタビューに応じ、「トーナメントは近づいていたが、まだ未解決の問題が多くあった」と語った。

主なキャンセルの理由として挙げたのが、“プレーヤーを含む海外渡航者に影響を与える世界的な検疫政策”や“アメリカのパンデミックの悪化”、そして“トーナメントを遂行することへの不確実性”である。

「開催に向けた計画を発表した時は、すべてが順調に見えていた…。ウイルスが抑制され、渡航が許可。社会的距離を保って集まることも許されていた。しかし、2週間前、それらすべてが逆転してしまい、他の方向に向かってしまった」。そうアイン氏は、大会を開催できない悔しさをにじませた。

トーナメントホテルが
契約直前に翻意。その理由

アメリカ国内のパンデミックの悪化により、主催者はトーナメントの安全性を確保しようと、十分な衛生設備とプロトコルを備えた一つのホテルにすべての選手とスタッフを収容する計画を考えていた。しかし、その契約が成立する2時間前にそのホテルは手を引いてしまった。というのも、9月と10月に予約されていたホテルの客がすべてキャンセル。ホテル側は、「トーナメントのためだけにはオープンできない」という言い分だったという。

大会側は出場選手については公表していなかったが、ツアー再開大会だけあって、ビッグネームの噂も出ていた。ケガからの復帰戦として錦織圭(日清食品)や西岡良仁(ミキハウス)らも出場の意向を示していたし、世界ランキング5位のダニール・メドベデフ(ロシア)や同6位のステファノス・チチパス(ギリシャ)らATPトップ30の約3分の2が参加を予定していたという。

選手だけでなく、多くのテニスファンにとって、突然の出来事となった「シティ・オープン」の開催中止。だが、アイン氏は「イミグレーション(出入国)問題の解決を加速させるかもしれない」と付け加え、実際に解決することのできなかった運営の問題を目の当たりにすることで、「ニューヨークでのイベントへの注目が集まると思う」と答えた。

現状、USオープンを主催するUSTAは、「USオープンやウエスタン&サザン・オープンの開催に影響はない」との立場をとっているが、果たして、完璧な対策というものはあるのだろうか。
選手のみならず大会スタッフ、会場の近隣住民たちが安全かつ健康でいられるための運営を行ってほしいものだ。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma