刺激的な「尖ったラケット」は一部のメーカーだけが作れるもの
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「尖ったラケット」は作りにくい。もちろん、形の話ではない。
ウイルソンを含めて、基本的に多くのメーカーは売れ線のラケットを作る。それが悪いという訳ではない。その類のラケットを待っている人は多い訳だし、実際最も売れるのだろう。かつてに比べればラケットが売れなくなった時代なので、売れ線ラケットの質がより重要になるということは承知の上で思うのは、刺激的な尖ったラケットを作れるメーカーはスゴいなということ。
真っ先に思い浮かぶのは、ウイルソンのPRO STAFF RF97 AUTOGRAPHで、なんとフレーム重量は340gである! ロジャー・フェデラーだから、ということもあるが、これが市販できるというのは興味深い。他にもH社の93平方インチのラケット、どう考えてもかなりスイング速度が必要なY社のボックスタイプのラケットなど、鬼スペックが発売されるのは、そのブランドに企画力や技術力、何より熱意があるからだ、と思う。
2020年3月28日、新「ULTRA」が、満を持して発売となる。
初代「#ULTRAはいる」→「#ULTRAいいね」と来て、今回は『#ULTRAできる』! お世辞を抜きに、今作を作るためのアプローチは、十分“尖っている”。
まずは「CLASH」シリーズを作るにあたって行った調査結果を話したい。
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世界6都市で1万2,000人を対象に合計3,000時間を費やして行ったリサーチ結果は、我々一般プレーヤーの認識の違いがわかるものだった。しなるラケットが、しならないラケットより「飛ぶ」と答える人が多数派であった一方、フレーム厚は分厚いほうが薄いものより「飛ぶ」と答える人が多かった。また、しなるラケットはしならないラケットより「コントロールしやすい」と答える人が多数派だった一方、ムチのように柔らかいラケットより金属バットのような硬いラケットのほうが「コントロールしやすい」と答える人が多数だった。よく読めば、多数派の意見が矛盾していることがわかる。正解は、しならないほうが飛ぶし、コントロールも良くなる。また別の質問では、ラケットに求める要素として、日本、世界のプレーヤー共に「コントロール」と「フィーリング」をトップ2に選び、パワー、スピンが3・4番目となった。 硬くしならないラケットは「パワー&コントロール」を生む。一方、柔らかくしなるラケットは「フィーリング・柔らかさ」を生むという大前提がある。つまりプレーヤーが求める「パワー&コントロール」と「フィーリング・柔らかさ」はラケット上、相反してしまう。その両者を実現させたのが、ウッド以上のしなり&少ないブレが特徴のCLASHシリーズだった。
CLASHとは真逆の考え方
しなりを徹底的に排除することで
メリットを生み出した新ULTRA
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なぜCLASHの話をしたのか。
実は目的が同じだからだ。プレーヤーが持つ2つのニーズは「コントロール(&パワー)」と「フィーリング(&柔らかさ)」。新ULTRAも、その両者を再現“できる”ラケットである。ただし、アプローチはCLASHと「真逆」。そこがラケット作りの興味深いところだ。大きなしなりを生むCLASHとは真逆に、徹底的に「しなり」を排除し、ストリングのたわみを最大化していくことで、「パワー&コントロール」と「フィーリング・柔らかさ」を生み出したのだ。
先ほど紹介したとおり、硬いフレームにすれば、パワー&コントロール性は高くなる。それにフィーリング&柔らかさをどう足していくかが肝となる。今回、ULTRAがフォーカスしたのが、ソフトを生み出す「ストリングのたわみ(=ボールとストリングの接地時間が長い)」を作ることである。
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そして、ULTRAの代名詞といってもいい「クラッシュゾーン」も大きくなっている。クラッシュゾーンは、フープ部6時部分のグロメットに内蔵されていて、インパクト時につぶれることで、こちらもダンピングが増加するというもの。その分、たわみが大きくなるわけだが、スイートエリアが+3.0%分大きくなるという効果もある(従来のクラッシュゾーンは+2.7%UP)。単純な話100平方インチのラケットなら、103平方インチのラケットと同様のスイートエリアとなる。
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さらに紹介したいのが、「ニューパワーテーパービーム」である。フレーム厚が24mm‐26mm‐23mm(ULTRA 100シリーズ)と真ん中が厚い形状にすることでしなりを排除しているのだ。さらに、そのフレームもこだわりで、ニュージオメトリー設計となり、容積が27%アップ。また素材に「ハイ・パフォーマンス・カーボン・ファイバー」を使用している。
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そしてシャフト部にあった突起状のパワーリブも、今度は溝を設ける「INVERTED POWER RIB」として進化。シャフト部のしなりを排除するとともに、ブレを抑えている。 以上、徹底的なしなりの排除、ブレの抑制を行うことで、ソフトさを生み出すダンピングを増大。それが、これまでにない「大きなストリングスのたわみ」を生み出したのだ。
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それは
①『高い安定性能(=打ち負けないパワー)』
②『クラッシュゾーンによるコントロール性能/柔らかいフィーリング』
という2つの要素である。
「ネットプレーで優位性を発揮する“ウルトラスペック”」というフレーズをご存じの方もいるだろう。“ネットプレー”という言葉に引っ張られて、ボレー向け!? と思う人がいるかもしれないが、それは少し違う。打球が失速する前である状態=ネットプレーのようなシチュエーションでも、ボールの威力に負けることがないパワーがあるというのが大事なポイントなのだ。
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新コスメをまとったシリーズ3代目、『#ULTRAできる』は、過去最高のフレームの強さ、パワー、コントロール性、ソフトさ、フィーリングの良さを発揮するものとなっている。
何もスペックだけが「尖ったラケット」と呼ぶつもりはない。あらゆるテクノロジーを生かして、しなりを排除。特筆すべき大きなストリングスのたわみを手にした「ULTRA V3.0」、これは十分“尖っている”ラケットだ。
ULTRA V3.0 series
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ULTRA 100 V3.0
¥32,000(税抜き)
フェイス面積: 100sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 300g
Av.バランス: 32.0cm
フレーム厚: 24.0mm–26.0mm–23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2, G3
ストリング・パターン: 16×19
適正テンション: 50-60p
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ULTRA 100S V3.0
¥32,000(税抜き)
フェイス面積: 100sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 300g
Av.バランス: 32.0cm
フレーム厚: 24.0mm–26.0mm–23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2, G3
ストリング・パターン: 18×16
適正テンション: 50-60p
![](https://images.tennisclassic.jp/media/article/778/images/46a67fd873fd082307127fd419367a9cad20f960.png?h=840)
ULTRA 100L V3.0
¥32,000(税抜き)
フェイス面積: 100sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 280g
Av.バランス: 32.0cm
フレーム厚: 24.0mm–26.0mm–23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2
ストリング・パターン: 16×19
適正テンション: 50-60p
![](https://images.tennisclassic.jp/media/article/778/images/9ffc94179b9466e8ca2e00f868f2af512e0ac2b2.png?h=840)
ULTRA 100UL V3.0
¥32,000(税抜き)
フェイス面積: 100sq.inch
レングス: 27.0inch
Av.ウェイト: 260g
Av.バランス: 33.0cm
フレーム厚: 24.0mm–26.0mm–23.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2
ストリング・パターン: 16×19
適正テンション: 50-60p
![](https://images.tennisclassic.jp/media/article/778/images/a17b060b18c8202bc7dc29521760832cd4225923.png?h=840)
ULTRA 108 V3.0
¥32,000(税抜き)
フェイス面積: 108sq.inch
レングス: 27.25inch
Av.ウェイト: 270g
Av.バランス: 33.5cm
フレーム厚: 26.0mm–27.5mm–25.0mm
グリップ・サイズ: G1, G2
ストリング・パターン: 16×18
適正テンション: 53-63p
★[Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]
https://wwm.tennisclassic.jp/archive/backnumber/index.html
![](https://images.tennisclassic.jp/media/article/778/images/e6601f5d7ad3cb18ec0a57e271fe859f4de48b78.jpg?w=1200)
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