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2020.10.09

大会情報

【ガンバレ日本のJr.!】全仏Jr.帯同コーチがコロナ禍の海外遠征を決意〔アジア通信特別編①〕

写真左より全仏オープンJr.に出場した松田絵理香、長谷川愛依、三井駿介、磯村志

開催中の全仏オープン。そのジュニアの部に、多くの日本人選手が出場していることはご存知かと思う。その選手たちの帯同を務めた沢田氏が、withコロナ下で開催された全仏オープンで見えたものをレポート。新型コロナウイルス陽性者が増加し、警戒レベルが上がっていると報道されるパリの中で、どんな運営がなされていたのか!?

<後編>【ガンバレ日本のJr.!】全仏Jr.帯同コーチがコロナ禍の海外遠征を決意〔アジア通信特別編②〕

Profile

文・写真:沢田昌昭
「Team Macy Project」(タイ・日本代表)。98年にバンコクでMMT(MacyTennisTeam)を設立し、ジュニアの育成とITFに特化した活動を続け、14年にはジュニア育成の新しい独自のビジョンを求め「MaSea Academy=スポーツと教育の共存」をスタート。ITFジュニアは、ツアーコーチとして今年で21年目。これまで多くの日本人ジュニアの遠征を担当してきた。現在はITFプロとジュニアのツアーをサポートする「Team Macy Project」を主宰。タイ、ミャンマー、ネパールのデ杯やナショナルチームのスタッフ、コーチも務め、幅の広い経験を生かし選手育成に情熱を注いでいる。

〔アジア通信特別編①〕
新型コロナでツアー中断も
「withコロナ」で海外遠征を決意

2020年3月14日。突如、思わぬニュースが飛び込んできました。
当時、私たちのチームはITFジュニアツアーのマレーシアG1大会の遠征中でした。その大会は、全仏オープンジュニアやウインブルドンジュニア出場を目指すアジアの選手にとって、重要な大会です。なんとITFレフェリーから「今、世界中のITF、ATP、WTAがストップした」ということが告げられたのです。

あの日から約6ヵ月の間、ツアー再開に向けて海外のコーチたちと情報を共有し合いながら、ツアーの復活だけではなく、スポーツ全体が元通りになることを祈る気持ちでいました。

その中、海外と情報を共有しながら感じたことは、日本国内にはさまざまな情報がありながら、海外の生きた情報が入りにくいということ。

もし、世界のスポーツ競技再開へ向けたアイディアや方針、想いやパワーといった姿勢が、もっと日本にも伝わっていたならば、テニスの再開だけではなく、オリンピックや各競技の全国大会開催を応援する機運が高まったのではないかと感じています。

その後、ATP、WTA、ITFツアーが8月中旬に、ITFジュニアツアーが8月31日から再開しましたが、ツアーが再開すると、世界のスピードは一気に加速します。この時期、ツアーに消極的な日本を含むアジアのプレーヤーは、ジュニアだけでなくプロも来シーズンはかなり厳しい戦いになるだろうと感じました。



良い悪いは別として、ヨーロッパやアメリカでは「withコロナ」への取り組みや考え方があり、積極的に道を切り開こうとしています。一方で日本は、社会や学校は動き出しているのに、スポーツには極端と言えるほど慎重です。

たとえ、日本で慎重に自粛していても、感染リスクをゼロにすることは出来ません。加えて、実際にツアーが再開されていることを考え、それぞれの国の保健省やITFが大会開催にあたり主催者に課しているルールに従い、私たちは競技に参加する方を選びました。 

〔アジア通信特別編①〕
6ヵ月ぶりのITFジュニアツアーに参戦!

今回の遠征は、スペイン2大会に出場し、その後フランスに移動。全仏オープンジュニアとハードコートの大会に分かれ、3~4大会にエントリーする約1ヵ月のスケジュールです。



スペイン1週目には、中辻貴惣、増田真吾、服部伶矢、長谷川愛依、永澤亜桜香の5名のジュニアが参加。2週目には、全仏オープンジュニアに出場する三井駿介が渡仏する予定でした。

しかし、新型コロナウイルス(以下コロナ)が感染拡大中のパリでの調整を避け、急きょスペイン・バルセロナで調整。サンチェス・カサル・テニスアカデミーなどの名門クラブでプロと練習しました。ジュニア5名は、我妻コーチが帯同しバルセロナから約100km離れたタラゴナの大会に出場しました。そして3週目に、フランスへ移動。全仏オープンジュニアと同国で行われる大矢和希が出場する別の大会に分かれました。




ジュニアたちのプレーを見ていて感じたことは、明らかに“試合勘がなくなっている”ということ。練習の時点では非常に良いのですが、試合になるとまったくと言っていいほど、違うプレーになってしまいました。海外の選手は、自粛とはいえ試合も行っており、我々よりも2ヵ月は多くプレーしていて、その感覚の違いがそのまま結果として出てしまいました。

さて、海外のコロナ対策ですが、言うまでもなく徹底した管理でした。スペインへの入国時点から試合会場では、感染防止対策としてマスク、手洗い、アルコール消毒の実施は徹底。ただ、試合中、試合後のあいさつはラケットタッチでしたが、それ以外のコミュニケーションの中ではグータッチは自然に行われていました。




<後編>【ガンバレ日本のJr.!】全仏Jr.帯同コーチがコロナ禍の海外遠征を決意〔アジア通信特別編②〕

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