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2020.10.11

大会情報

ノーシードからの快進撃! 19歳シフィオンテクが全仏初制覇!! <全仏オープン14日目>

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10月10日、全仏オープン14日目に女子シングルス決勝が行われ、ノーシードのイガ・シフィオンテク(ポーランド)が全豪チャンピオンで第4シードのソフィア・ケニン(アメリカ)を6-4、6-1で破り、男女を通じてポーランド人として初めてのグランドスラム優勝を果たした。

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19歳のシフィオンテクは、決勝まですべての試合をストレートで勝ち上がっており、4回戦では優勝候補だった第1シードのシモーナ・ハレプ(ルーマニア)を圧倒。ダブルスでもベスト4まで進出し、計11試合を戦ってきた。
一方の世界ランキング6位の21歳、ケニンはシングルス6試合中4試合がフルセットでの勝利と苦戦しながらも決勝まで進出。クレーコートに苦手意識を持ちながらも、試合を重ねるごとに順応し勝ち上がってきた。



第1セット、少し硬さの見えるケニンに対し、シフィオンテクはハードヒットで次々とウィナーを奪うと、一気に3ゲームを連取。ここまでの調子の良さを物語るプレーを見せた。それでも相手は今年の全豪チャンピオン。弾道の高いボールを使いながら自らのペースに引き込むと、ブレークに成功しイーブンに戻す。

だがシフィオンテクも負けじと激しいショットに対応、5-4で迎えた第10ゲームでケニンのサービスゲームを破って第1セットを先取した。


第2セット、第1ゲームでブレークされてしまったシフィオンテクだが、直後のゲームでブレークバックに成功。攻撃的なフォアハンドに加えて、バックハンドのコントロールされたボールで長いラリー戦を支配していく。自身のサービスゲームをキープしつつ、ケニンを左右に走らせ計3度のブレークをして、見事栄冠を勝ち取った。

勝利を決めた瞬間、手で口を押えてうずくまったシフィオンテクは、「何が起きているのかわからないわ。とっても嬉しいです!」と答え、喜びを見せた。会見では、「シモーナ(・ハレプ)に勝ったことが生涯の偉業だと思っていた。本当に何も期待していなかったわ。決勝戦はタフな試合になると思っていたからね。だから、“気にしない”と自分に言い聞かせて、それを信じるようにしたの。最後の最後まで本当に楽しめたと思うわ」と初めての大舞台でプレッシャーに押しつぶされることなく戦えたと語った。



一方、試合終了後、ベンチで悔し涙を流したケニン。大会中盤で左太ももを痛めており、この試合途中もメディカルタイムアウトを取るなど万全のフィジカルではなかった。「がっかりして動揺している」と悔しさを表しながらも「彼女は素晴らしいテニスをしていた。本当にいいフォアハンドだし、本当にいいバックハンドよ」とシフィオンテクが勝利に値すると称賛した。

ポーランド人として初めてグランドスラム優勝を果たしたシフィオンテク。同じポーランド人として、ツアー20勝している元世界ランキング2位のアグニエシュカ・ラドワンスカと比較する人が多いことに対しても、「ラドワンスカはWTAのトップレベルで多くのことを成し遂げてきた。私たちを比較する人がたくさんいることは知っている。でも、私にはまだやることがたくさんあるの。ポーランドで”最高の選手”(という称号を)を手に入れるためには、今後数年間、活躍していかないといけない。彼女はそういうところにいる」といたって冷静に答え、これからの活躍を誓った。

今回の優勝でシフィオンテクの世界ランキングも現在の54位から17位へ上昇。“追う”立場から“追われる”立場になる。これからどのような活躍を見せるのか期待したい。


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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma