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2020.10.17

大会情報

ウィンブルドンが2021年の開催へ! 3つのシナリオから検討

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10月16日、ウィンブルドンの主催者が2021年の大会開催にあたり、3つのシナリオを検討して開催を目指すことを明らかにした。

今シーズン、新型コロナウイルスの影響でUSオープンが無観客での開催となり、全仏オープンも大会時期を遅らせ、1日1000人のみの観客を入れて開催した。
一方、第2次世界大戦後初となる75年ぶりの大会中止が決定されたウィンブルドン。経済的にも大打撃を受けるところだったが、年間200万ポンドの保険料を15年以上、支払い続けていたため、損失の約半分がカバーされることとなった。だが、その保険が来年は適用できないようで、なんとしても開催にこぎつけたい意向だ。

AELTC(オールイングランド・ローンテニス・アンド・クーロケー・クラブ)の最高経営責任者であるサリー・ボルトン氏は、「2021年の大会開催は我々の最優先事項であり、その優先事項を実現するためのシナリオ作成に積極的に取り組んでいる」と述べ、前向きに大会開催を計画しているという。
そのシナリオは大まかに3つに分かれており、これまでどおり満員の観客の中で行うことや縮小開催、そして無観客での開催を視野に入れているとした。もちろんファンの願いとしては、観客を入れての開催だが、いずれの選択肢もイギリス政府や公衆衛生当局のガイドラインの状況によるため、今後も関係各所と協力していくとしている。

また、AELTCはこの不確定な世界情勢にもかかわらず、多数の世界的メーカーと大会スポンサー契約を結んだことを発表。1978年から大会のオフィシャルタイムキーパーを担当しているスイスの高級時計メーカーのロレックスや、錦織圭も愛用する車メーカーのジャガー、IBMらとも契約延長したという。
同氏は、「2021年の大会が近づくにつれ、貴重なアドバイスを提供してくれる政府や公衆衛生当局に感謝したい。同時に、2021年および将来の大会の成功に大きく貢献するパートナーシップを更新することで、ウィンブルドンへの信頼を示すことができてうれしく思う」と、感謝の意を表した。

ウィンブルドンは来年の開催計画を立てるだけでなく慈善団体を通じて パンデミックにより影響を受けた人々を支援することも約束。
これまで地域で困っている人々に1日200食の食事提供を行ってきた、AELTCのウィングフィールド・キッチンがクリスマスまで継続されることとなり、今年の大会で使用される予定だった3万枚のタオルが寄付されるとしている。その他にもウィンブルドン財団の基金から子どもや医療の最前線で戦う人々、ホームレスの人々を支援していくとした。
AELTCのイアン・ヒューイット会長は、「大会の中止以来、我々は地域社会のために努力してきた。ウィンブルドンの総合力、つまりクラブや大会、財団の様々な側面を活用して、我々の役割を果たしていきたい」と語った。

来年開催予定のウィンブルドンの日程は、6月28日(月)から7月11日(日)となっている。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma