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2020.12.20

選手情報

【田中愛美プロコラム⑤】世界屈指の車いすテニス強豪国・日本のパラリンピック出場権争いは熾烈なのです!!

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どうすればパラリンピックに
出場することができるの?

こんにちは、車いすテニスプレーヤーの田中愛美です。

「パラリンピック」とみんな言うけど、そんなに簡単に出られるものなの? 一体いつ内定が決まるの? パラリンピックを目指すには何をしたらいいの? …意外とパラリンピックについて、分からないことが多いですよね。
今日は「パラリンピックに出場するために必要なこと」をご紹介させて頂こうと思います。

Click! 連載「車いすテニスコラム」で過去のコラムをチェック!


水泳や柔道など、五輪競技の中でも多くの競技は「五輪予選」が行われ、その大会の結果で出場が決まることがありますが、テニスなどの世界ランキングがある競技は、ある決まった日付のランキングで五輪内定が決まります。

今回の東京パラリンピック車いすテニスについては、2021年の6月7日付の世界ランキングが内定の基準となります。その時点で、男子は上位40位、女子は22位、クアードは12位以内に入っている必要があります。

また、2018年のアジアパラ競技大会での男女シングルス優勝者は、最も早くパラリンピック内定が決まります(すでに国枝選手・上地選手は東京パラリンピック内定)。
そして日本の代表内定で最も重要な部分、それは「自国の代表枠内に入ること」。

“男子クラスと女子クラスは4名、クアードクラスは3名”と、一国の最大出場人数に制限があります。
車いすテニスの強豪国と言われる国の中でも日本はレベルが高く、男女4人以上の選手が内定ランキング内に入っているため、ランキングが高くても5番目以降になってしまうと出場できません。
逆に世界ランキングが低くても、自国で1名しか内定が取れていない場合、ダブルスのためにもう一人選手を推薦することができる国も出てきます。

現状、自国内で代表枠を争っている選手が複数いる国は、日本以外にはありません。日本は東京パラリンピックで全クラスでのメダル獲得が期待される“世界屈指の車いすテニス強豪国”なのです。
パラレースと呼ばれる選考日までの最後の1年は、パラリンピックを目指す選手たちにとって、すべての大会が五輪予選と同じ。息つく間もなく走り続けなければならない正に「レース」。
この代表選考の状況を把握したうえで選手たちを追っていると、応援する側も思わず熱が入ってしまうこと間違いなしだと思います。


ちなみにダブルスのペアリングですが、日本人選手は普段の大会では海外のプレーヤーと組むことが多く、固定ペアというのがほとんどありません。しかし、パラリンピックの時はもちろん同国でペアを組みます。
その時の組み合わせは、単純にランキングで合わせるのではなく、ダブルスの相性で最終的に日本代表監督が決めることになります。
実際に2016年のリオパラリンピック男子ダブルスは、シングルスのランキングでは国枝選手と眞田選手が1番、2番でしたが、当時のペアリングは国枝選手・斎田選手ペアと眞田選手・三木選手ペアでした。

この2組が銅メダル決定戦を戦い、2人揃ってフォアハンドで攻めに行く次世代“眞田・三木ペア”の挑戦を世界トップレベルの守備力を誇るレジェンド国枝・斎田ペアが退け、銅メダルを獲得しました。

車いすテニスのダブルスについては、また別の記事でご紹介していきたいと思いますのでお待ちください!


以上がパラリンピック出場方法です。なんとなくお分かりいただけたでしょうか?
日本は今、現役で活躍する選手も多いですが、少しずつジュニア選手も出てきているところです。東京パラだけでなく24年のパリパラリンピックの頃にはもっともっと世界的にも競技レベルが上がっていくことでしょう。
ぜひ皆さんに一人でも多くの選手を覚えて、応援していただけたらうれしいです。

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Izumi Nakagawa/NBP