こんにちは、車いすテニスプレーヤーの田中愛美です。今回は「車いすテニスの国際大会のグレード」について紹介していこうと思います。テニスの大会は、健常でも車いすでも大会規模に合わせてグレード分けがされています。このグレード区分により、賞金額や世界ランキングに反映されるポイントの大小が決まるシステムになっています。小さな大会で優勝するよりも、大きな大会で1勝する方が多くポイントを所得できる可能性もあり、選手たちは自分のレベルや他の出場選手の申し込み状況によって参加大会を選んでいきます。<関連記事>【田中愛美プロコラム①】「車いすテニス」のルール、ご存知でしょうか?<関連記事>【田中愛美プロコラム②】「車いすテニス」のルール、ご存知でしょうか?通常のテニスはより細かく分かれていますが、車いす部門は大きく分けて6つにグレード分けされています。一般的によく耳にする「四大大会(グランドスラム)」は、その中でも最高峰のグレード。テニス選手ならみんなが出場を目標にする大会です。この大会は個人のランキングで出場できるかが決まるため、誰でも申し込めば出場できるわけではありません。しかも健常なら予選からスタートしますが、車いすは1クラスの出場人数はなんとたったの8人!(クアード[四肢マヒ]は4人となっています)実は四大大会に出場するのは、パラリンピックに出場するよりも、はるかにハードルが高いのです。四大大会の下はスーパーシリーズ・ITF1・ITF2・ITF3・フューチャーズ、と5つに分けられていて、これらの大会は参加上限人数を超えなければ、ITF登録選手の誰でも申し込むことができる大会となっています。日本では毎年春に福岡でJapan Open(飯塚国際車いすテニス大会)というスーパーシリーズの大会が開催されており、この大会には日本のレジェンド国枝慎吾選手(ユニクロ)や上地結衣選手(三井住友銀行)もほぼ毎年出場しています。
毎年春に福岡で開催されるJapan Open(飯塚国際車いすテニス大会)には、国枝選手(写真左)と上地選手(写真右)も出場している
グランドスラムに出場するようなトップ選手もこの大会に参加しに来るので、世界最高レベルの試合が日本で観戦できる貴重な大会です!ちなみにあまり知られていませんが、4年に1度のパラリンピックやアジアパラリンピックはグレードでいうと「ITF2」。とても大事な大会ですが、実はパラリンピックは世界ランキングにはあまり大きな影響がありません。通常の大会では、ここで勝てばランキングが上がる、ここで負ければパラリンピックには出場できない…そんなプレッシャーもありますが、あえて大きなポイントを与えないことで、選手たちが4年に1度の大舞台で余計なことを考えずに今までの自分のすべてを出せるようにしているのかもしれませんね。今回は簡単に車いすテニス大会のグレード分類をお話ししましたが、なんとなくイメージが湧いたでしょうか?トップの選手の試合が観たければグレードの高い大会、これからスタートする選手を発掘して応援したいならばグレードの低い大会、など試合観戦する時の目安にグレードをチェックしてみてください!
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