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2021.01.20

選手情報

ジョコビッチが隔離選手への待遇改善の真意を説明「真実とはかけ離れている」

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ジョコビッチが自身の行動を釈明
「できる限りのことを尽くそうと…」

世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)は1月20日、自身が全豪オープンの大会ディレクターであるクレイグ・タイリー氏に送ったメールについて様々な報道がされる中、Twitterで釈明。一連の真意を伝えている。

【関連記事】ジョコビッチが隔離選手のための要望を主催者に提出も州当局が却下「規制を変えるつもりない」

現在、オーストラリアは海外からの入国をストップしており、出場する選手は、大会側が用意したチャーター機によって入国しなければならなかった。しかし、1月14日にアメリカ・ロサンゼルスから到着したチャーター機の乗客からコロナ陽性者が判明し、同乗していたすべての選手および関係者が14日間の完全隔離となった。その後もカタール・ドーハやアラブ首長国連邦・アブダビからのチャーター機から陽性者が見つかり、合計72名の選手がホテルでの完全隔離を行っている。

これに対し、ジョコビッチは主催者のトップであるタイリー氏に隔離されている選手への待遇を改善するように要望。選手の部屋にトレーニング器具を用意することや、コートのある民家に移動させること、PCR検査の頻度を増やすかわりに隔離日数を減らすことなどを求めたという。この提案は開催地メルボルンがあるビクトリア州政府によって却下されている。ルールの変更はないとされているわけだが、ジョコビッチのこの行動に対し、世界47位のニック・キリオス(オーストラリア)は「愚かだ」だと批判。さらに、元デビスカップオーストラリア代表のサム・グロース氏も「人気が欲しいだけの意見だ」と一刀両断していた。

ジョコビッチは今回の声明で「メルボルンにいるプレーヤーに対する私の善意は、利己的で難しく、恩知らずなものだと誤解された。だが、これは真実とはかけ離れている」とコメント。「僕は苦労して自分の特権を獲得してきた。だからこそ、世界の中で小さくて取るに足らない存在だった頃の私にとって、助けやジェスチャー、良い言葉のそれぞれがどれほど重要だったかを知っている。ただ見ているだけではいられないんだ。僕はこの立場を利用して、必要とされる場所、時にできる限りのことを尽くそうとしている」と、発言力のある立場にいるからこそのものだったと主張した。

さらに、「クレイグとはとても良い関係を築いてきたし、彼が全豪オープンを毎年楽しみにしている場所にしようと努力していることを尊敬し、感謝もしている。メールのやりとりの中で、メルボルンでの選手の隔離を改善するためにはどうすればいいのか、ブレインストーミングした」と大会側に対して、一方的に要求しているわけではなく、あくまで提案し話し合っただけだと釈明している。

最後にジョコビッチは、「パンデミックが起きている中で、国際的なスポーツイベントを開催することは地域社会や選手自身に健康上のリスクがあることを理解している。このようなリスクを冒してまで、テニスを愛し、国の経済と人々に様々な機会をもたらしてくれるテニス・オーストラリアやオーストラリア政府、地元の人々に感謝の意を表したい」と、グランドスラムという大規模な大会を開催すると決断してくれたことを感謝。
「メディアでの話題がエスカレートし、(自分も含めた)選手たちが隔離されたことによる不快な思いから、恩知らずで弱く、わがままなのではないかという印象がついてしまった。多くの選手が感謝している中でも、そうなってしまったのは本当に残念だ。人々の前でプレーをし、多くの勝利を導いてくれたこの街のテニスへの熱狂とエネルギーに加わることを楽しみにしている。また、メルボルンで仲間の選手たちと一緒にプレーできることを楽しみにしているよ」と記した。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma