厳戒態勢の中で
行われようとしている
2021年大会全豪オープン2021は、新型コロナウイルスのため、厳戒態勢の中で、選手や関係者を迎えている。その選手たちは、ドバイ(アラブ首長国連邦)、ロサンゼルス(アメリカ)、シンガポール、アンタルヤ(トルコ)、アブダビ(アラブ首長国連邦)、ドーハ(カタール)、マイアミ(アメリカ)、バルセロナ(スペイン ※ジョコビッチ、ナダル、ティエムらが参加するエキジビションマッチのためアデレードに到着)から飛び立つチャーター機に乗って、オーストラリア・メルボルン入りとなっている。
渡航者は全員、出発の72時間以内にPCRテストを受けて陰性である場合のみ入国できるということになっている。それだけのことをしても、到着者の中から陽性者が出てしまうというのだから、新型コロナウイルスは恐ろしいものである。機内から陽性者が出たために、錦織圭(日清食品)をはじめとする選手たちは、14日間、ホテルから出ることを禁じる処分を受けていることは報道されているとおりだ。元々選手とコーチなどサポートスタッフ(1名)は、14日間の検疫期間中、1日5時間だけ練習のためにホテルから出ることを許さるということになっていた。大事な大会前に、14日間テニスができないというのは、痛すぎる環境である。検疫期間明け、調子が落ちていないことを祈るばかりだ。「1歩も外に出られない…」
渡豪した検疫期間中の
カメラマンに聞く状況さて、今回、チャーター機に搭乗したのは選手やサポートスタッフだけではない。取材する人間も、世界各地からメルボルン入りをしている。入国不可のオーストラリアに、どうやって入国できたのか? 今回は、テニス・オーストラリア(協会)に取材申請をした後、取材許可と同時に再度、渡豪意思を確認。テニス・オーストラリアが、オーストラリア政府に取材者リストを提出したうえで、日本側でオーストラリア大使館にビザを申請して発行してもらうという流れがあった。そして、選手たちも搭乗するチャーター機に乗ることになるのだが、協会側から飛行機の割り当てが来たのは、渡航数日前だったというから大変だ。現地の状況を伺ったのは、1980年代からテニスを撮り続けているフリーフォトグラファーの田沼武男氏。出発する成田国際空港でPCRテストを受けて、陰性証明書を大会側にアップロード。改めて許可を受けて、シンガポールでチャーター機に乗ってメルボルンに到着したという。現地の空港に到着したら、プライベートセクションで入国審査、保健局審査、税関審査を行って、そのままホテルに護送。練習の際に、ホテルの外に出られる選手やサポートスタッフと異なり、取材陣は完全に隔離状態。なんと毎日、ノド、鼻の両側の3ヶ所からサンプルを取ってPCR検査を受けているというのだから、物々しさがわかる。仕方ないことではあるものの、ランニングが日課である田沼氏にとって、14日間ホテルの部屋から1歩も出られないというのは、相当のストレスとなっているはず。その解消のために、パソコンで動画を見て、エクササイズしているという。
検疫期間中なので、ホテルから1歩も出ることができない大会が始まるのは2月8日。その前哨戦となる大会も予定されているが、どんな大会となるのか。とにかく無事に催行されることを祈りたい。
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