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2021.02.08

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錦織圭、全豪オープン初戦敗退も見えた一筋の光「復帰の道のりとしては悪くはない」

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世界ランク16位、パブロ・カレーニョに
ストレートで敗戦した錦織

ただでさえ調整不足という中である。いきなりと言ってもいいグランドスラムの初戦としては、厳しい相手だったかもしれない。だが、強者を相手に戦ったからこそ得たものもある。
2月8日、全豪オープンの男子シングルス1回戦が行われ、世界ランキング42位の錦織圭(日清食品)は、第15シードのパブロ・カレーニョ・ブスタ(スペイン)に5-7、6-7(4)、2-6で敗れ、初戦で姿を消した。


【動画】錦織圭全豪1回戦ハイライト&記者会見


全豪オープン直前、男子国別対抗戦「ATPカップ」で世界4位のダニール・メドベデフ(ロシア)や同9位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)と戦った錦織。2週間の隔離後に行われたメドベデフ戦では「毎日いいリズムでプレーできている」といい感触を得ていた反面、シュワルツマン戦では「自分のしたいプレーと身体の動きがついてきていない」と不安なところがあるとも語っていた。

その言葉どおり、第1、第2セットでは、カレーニョ・ブスタとの激しいラリーにも応じ、「今までにないぐらい試合に入ってから『勝てるんじゃないか』と思える出だしだった。それぐらいボールを捕らえる感覚と球筋といろいろよかった」と、錦織らしい展開の速い攻撃でポイントも奪えていた。

だが、相手はトップ10の経験を持ち、グランドスラムでも勝ち上がった経験を持つ、強豪国スペインを代表するプレーヤー。一枚上手だった。錦織がサイドに振って、チャンスを作り出そうとしても深いボールで返球。錦織に強打されないようベースラインにくぎ付けにしたところで、攻撃をしようとした錦織にミスが続いてしまった。

さらに、ストロークでは全仏オープンの時ほどではないが、わずかにラインを割るケースも多く、「感覚が100%ではないので、振り切れてないことやサーフェスが速くて振り遅れたり、体が浮いたりというのがあった」と、まだ万全ではないとコメント。それでも「去年とかはフォアのミスはありましたけど、それがかなり減っている。あともう少しかなと思います」と、今後に向けての課題だとした。

しかし、錦織が目指すべきところは、トップ10だ。試合後、錦織は「タフな道のりだと思っている。今年できるかどうかわからないが、今日の試合を振り返って、すごく良いプレーはできている。先週だったら『戻れるかな…』とは言えなかったが、今日の自分のプレーがもう少し良くなれば、できそうかなと言うのは若干見えてきた。復帰の道のりとしては悪くはないと思う」とコメント。先週の試合では見えてこなかった一筋の光が見えてきたとした。

次戦は、3月1日に開幕する「ABNアムロ世界テニス・トーナメント」(ATP500 /オランダ・ロッテルダム)を予定している。これから錦織がどのような復帰の道のりをたどるのか期待したい。

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Photo by Takeo Tanuma