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2020.06.09

大会情報

NY便り「USオープンは開催する? ビッグ3の否定的意見は大きすぎる」

「ジョコビッチが、うちの会社のビルディングのレセプションのゲストで来てましたよ」
これは昨年、日本人駐在員の方の話。ノバク・ジョコビッチ(セルビア)が、USオープン開催前にスポンサー企業への活動の一部でパーティー会場に足を運んだのだ。

試合だけでなく、こういった活動もプロとしては「稼ぎ時」なのだ。
そのジョコビッチが、今年のUSオープンは縛りが厳しいと苦言を呈している。一つ指摘しているのは、チームとして訪米できる人数が限られているということ。移動は会場とホテルの間のみという缶詰状態になり、プロとしての活動ができないことも一因では? という声も出ている。

ビッグ3のもう1人、ラファエル・ナダル(スペイン)は、新型コロナウイルスの被害を受けた都市で安全に試合ができるか、を疑問に思っている。
イギリスのダニエル・エバンズは、BBCに「安全に試合が行われるなら、いくつかの不便さがあっても、トッププレイヤーはトーナメントに参加することが重要である」と発言。「試合に出ている選手の多くは1人のコーチのみでツアーを移動している、すべての人がノバクのようにフィットネストレーナーや療法士と一緒に旅行しているわけではない。彼の主張は本当のトップの意見だ。その上で思うのは、ノバクとラファはランクの低いプレイヤーを本当に助けようとしているんだと思う。私は、コーチだけの参加でトーナメントに参加しない十分な理由だとは思わない」と他の理由があるのでは、と見ている。

またWTAのバイスプレジデントのミッキー・ローラ氏は、USオープンの開催に関して質問され、「ワクチンなしの旅行や試合など考えられない」とコメントしている。

さらにアシュリー・バーティ(オーストラリア)は、「テニスが再び話題になり、正しい方向に進んでいるのはエキサイティングだが、決定をする前にWTAとUSTAからのすべての情報とアドバイスを理解する必要がある」とシドニー・モーニング・ヘラルド紙に語った。USオープンへの出場意思に関して、今すぐ決定するのは困難と語っている。同じオーストラリアのジョン・ミルマン氏は「主催者にとって難しい決断となるだろう」と語っている。「このようなトーナメントを準備なしで投げるわけにもいかない。テニスがどのように見られているか、大会が実施するセキュリティと(感染の)安全対策については非常に大きな疑問がある」。

USTA(全米テニス協会)にとって、テニス人気を支えている「ビッグ3」の意見は、軽視できないだろう。もし、早々に出場しないと言うなら、TVやスポンサーは納得するはずがないからだ。どうにか開催に取り付けたいという中で、どうすれば良いのか…。

不確かなことばかりの状況だが、USTAはもうすぐ非常に難しい決断を下さなければならない。

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文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)

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