過去11度同大会を制している
ナダルは大本命となる
クレーコートで驚異的な強さを誇り、「クレーキング」とも称されている世界ランキング3位のラファエル・ナダル(スペイン)。
4月11日から2年ぶりに開催されるATPマスターズ1000「モンテカルロ・オープン」に出場を予定しており、同大会12度目のタイトルに挑むことになっている。そんな彼を一体誰が止めることができるのか!? ATPの公式サイトでは今年のモンテカルロ大会でナダルの刺客となりうる5人の選手を挙げている。
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まず1人目は現在世界1位に君臨するノバク・ジョコビッチ(セルビア)。2020年の全仏オープン決勝でナダルに大敗を喫したことが記憶に新しいだけに、「ジョコビッチでも敵わないのではないか」と思うかもしれない。だが、モンテカルロ大会でジョコビッチは過去に好成績を収めており、2013年・15年大会では、それぞれ決勝と準決勝でナダルを破って優勝を飾っている。
また、ジョコビッチはモンテカルロを拠点に練習を積んでいることから、大会の雰囲気やその土地の気候に順応しやすい点も、ナダルの最大の壁となる理由の一つに挙げられるだろう。セルビア出身のジョコビッチだが、モンテカルロはいわば彼の「ホームグラウンド」と言っても過言ではない。
2人目は今年2月の全豪オープンで準優勝を収めた世界2位のダニール・メドベデフ(ロシア)。メドベデフと言えばクレーコートを苦手とする選手としても知られており、全仏オープンでは過去に本選の1回戦を突破した経験がない。また、「2050年までには僕も全仏オープンの1回戦を突破できるかも」と自虐的なメッセージを発していたほどだ。
だが、実はそれとは裏腹にメドベデフは2019年のモンテカルロ大会準々決勝でジョコビッチを破っており、同年のATP500バルセロナでも準優勝を果たすなど、クレーコートでも強さを発揮できることを証明している。なお、クレーコートではナダルとの対戦はまだないが、今シーズンの好調ぶりを維持できればしっかりと対抗できる可能性もある。
3人目は成長著しい世界5位のステファノス・チチパス(ギリシャ)。ナダルに対しては2勝5敗と負け越しているが、そのうちの1勝は2019年のATP1000マスターズ「マドリード・オープン」準決勝でのもので、ナダルが得意とするクレーコートで勝利を収めたことがあるのだ。
また、サーフェスは異なるものの、今年の全豪オープン準々決勝では2セットダウンと絶体絶命の状況から、ナダルに大逆転で勝利している。さらに、今シーズンのチチパスは計22試合を戦って17勝5敗と大きく勝ち越しているだけに、モンテカルロ大会優勝へ期待が寄せられることは間違いないだろう。
4人目は170cmの小さな巨人、世界9位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン)。中でもクレーコートを得意とするシュワルツマンは2020年のATPマスターズ1000ローマ大会で快進撃を見せ、準決勝でも過去0勝9敗と一度も勝ったことがなかったナダルを圧倒。見事自身初のマスターズ決勝進出を果たした。直後の全仏オープン準々決勝でも優勝候補筆頭のドミニク・ティエム(オーストラリア)を破り、グランドスラムで初のベスト4進出。仮に今年のモンテカルロ大会でナダルと対戦する機会があれば、再び勝利をもぎ取るチャンスを見出せるのではないだろうか。
そして5人目は天才的なテニスセンスを持つ世界18位のファビオ・フォニーニ(イタリア)。過去にフォニーニは対トップ10から15回勝利を挙げているが、そのうちの9回がクレーコートでのものだ。2015年のATP500リオ・オープンの準決勝、バルセロナ・オープン3回戦でナダルを撃破した経験がある。さらに、2019年のモンテカルロ大会では、準決勝でナダルを圧倒した上で最終的にマスターズ初優勝を果たしており、相性自体は決して悪くない。クレーコートでのフォニーニはナダルにとって脅威となりそうだ。
以上の5名の中から優勝者が出てくるのか、それともナダルがクレーキングとしての貫禄を見せつけるのか…何はともあれ、来週のモンテカルロ大会では選手たちの熱い戦いが繰り広げられることを期待したい。
文=中村光佑
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