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2021.04.18

選手情報

鈴木貴男、日本男子テニス界を引っ張ってきた稀代のサーブ&ボレーヤーが引退試合で語ったこと

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日本男子テニス界のレジェンド、鈴木貴男が現役を引退。今後はコーチングをメインに活動していく

日本男子テニス界のレジェンド
44歳の鈴木貴男がついに現役引退


デビスカップ日本代表として歴代最多となる41勝を挙げた鈴木貴男(Team REC)が、4月11日に行われた「Japan Premium Tennis Tournament 盛田正明杯」の準決勝に登場し、全日本選手権覇者の中川直樹(橋本総業HD)を相手に、現役ラストマッチとしてシングルスを戦った。試合は2-6で敗れたものの、「今の中でのベストなパフォーマンスができた」と鈴木が言うように、サーブ&ボレーやリターンダッシュなど最後まで“鈴木らしい”攻撃的なプレーを披露した。


【画像】現役ラストマッチ&引退セレモニーの様子はこちら

試合後の記者会見で、「自分としてはスッキリしている」と笑顔を見せた鈴木。「決めていたのは、シングルスで終わりたいということ。シングルスの駆け引きが好きで、デビスカップでもツアーの中でも、一対一で勝負することにこだわってやってきた。その点についてチームに理解してもらい、こうして戦う場を設けてくれたので本当によかった」とチームへの感謝の気持ちを述べていた。



「ボールを打つ音がするとテニスをやりたくなる」というぐらいテニスが大好きだと笑顔を見せた鈴木貴男


また、会見で印象に残っている試合について聞かれると、悩みながらも「全豪オープンでのフェデラー戦になるんでしょうね。日本人だけでなく、世界中の多くのテニスファンの人に鈴木貴男を知ってもらったし、試合の内容もよかった。僕の中では一番になるのかな」と当時の世界ランキング1位、ロジャー・フェデラー(スイス/世界ランク7位)と対戦した2005年全豪オープン2回戦を挙げた。

この試合では、柔らかなネットプレー、そしてネットダッシュするために適度にスピード・コントロールされたスライス・アプローチで確実にフェデラーからポイントを奪っていった鈴木。鈴木がどのようにネットでポイントを取るのか、それをフェデラーがいかにパッシングで封じ込めるのかという試合展開で、そうした試合展開は見ている人たちをワクワクさせた。結局フェデラーがストレートで勝利したものの、フェデラーは試合後、「エンターテイメント性の高い、いい試合だった。タカオのネットでのボレー、スライス・アプローチは素晴らしく、パッシングで抜くためには自分のベストのプレーをしなければならなかった」と振り返っている(テニスクラシック2005年3月号より)。




2005年全豪オープン2回戦でのフェデラー戦。センターコートのナイトマッチという、その日、最も注目される試合として行われた

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写真=松村健人(NBP) Photos by Takehito Matsumura