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2021.11.17

ジュニア選手

テニスのジュニアたちへ。睡眠や食事と成長の関係をおさらい! ジュニアのうちに知っておきたい高身長につながる要素

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男子トップ10プレーヤーのうち身長190cmを超える選手は現在6人もいる!

成長に必要な睡眠と食事
今すぐ取り入れられる簡単な方法を紹介

トッププロが高身長化しているということは以前ご紹介した。プロとして活躍したいジュニアや夢を追いかけるジュニアの親にとって、身長は大きな関心の一つだろう。練習との兼ね合いを考えるうえでも、知っておきたい身長の伸びに関わる重要な要素と、理想的な状態を実現するために今すぐできる簡単な方法を紹介する。

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忘れられがちな睡眠。
子どもの成長にもとっても大事!

何かと忙しい現代の子どもたちにとって、十分な睡眠をとるのは簡単ではない。特例社団法人日本小児保健協会が平成22(2010)年に行った調査によれば、5歳から6歳で10時以降に就寝する子どもの割合は25%だった。よく知られていることではあるが、身長の伸びは成長ホルモンの働きによる。製薬会社のファイザー株式会社によれば、成長ホルモンがもっとも多く分泌されるのが睡眠時になるため、質のいい睡眠をとることが子どもの成長には不可欠としている。

とはいえ子どもに睡眠の重要性を説いても、なかなか実行に移すのが難しい場合がある。その理由の一つが、ともに生活する大人の生活習慣だ。子どもが寝る時間になっても近くで大人がテレビを見ていると、子どもも気になってなかなか寝ることができなくなる。子どもの就寝時間には、大人もテレビを消すなどの対応はすぐに検討できる一つの方法だ。

睡眠の質に注目

睡眠には、深い眠りの「ノンレム睡眠」と浅い眠りの「レム睡眠」がある。睡眠中は、一晩にノンレム睡眠とレム睡眠を4~5回繰り返す。オムロン株式会社のレポートによれば、ノンレム睡眠にはレベルがあり、最も深い眠りを得られるのが最初の1〜2回。つまり寝入ってから3時間程度の間に深い眠りであるノンレム睡眠に達することができれば、脳も体も休ませることができるため、朝起きるまでに十分身体を回復させることができる。そして、身長の伸びに関わる成長ホルモンは、眠ってから2〜3時間後に分泌される。睡眠の質がよくないと、この成長ホルモンが十分に分泌されないままとなり、身長の伸びに影響するばかりか疲労回復も十分に行われないことになるため、テニスキッズにとっては悪いことしかないと言える。

食事で気をつけたいこと

身長を伸ばすために睡眠の次に意識したいのが食事だ。身長の伸びに関わる「骨」と「筋肉」に分けて、必要な栄養素を紹介する。ただ、食事に関しては子どもにアレルギーがある場合など特定の食材を摂取しにくいケースもあるだろう。牛乳や乳製品にアレルギーがある場合などは無理をせず、小魚など他の食材から相応のカルシウムを摂れるようにしたい。

〈骨にはカルシウム〉
身長の伸びにカルシウムは非常に重要な役割を果たすことは知られているところだが、一日に吸収できるカルシウムの量は限られている。そのため、カルシウムの吸収を促すビタミンDやビタミンKも重要だ。ビタミンDやビタミンKは、主に大豆製品や魚介類、きのこ、たまご、緑黄色野菜などに多く含まれる。牛乳や小魚、チーズなどの乳製品など様々な食材から十分なカルシウムを摂取したうえで、ビタミンDやビタミンKを含む食材を食すことが望ましい。

〈筋肉にはたんぱく質〉
筋肉は骨とくっついている骨格筋が多くの割合を占める。そのため、骨とともに筋肉が成長することが望ましいと考えられている。成長するにつれて必要なたんぱく質の量も増加するため、たんぱく質の摂取も重要視したい。厚生労働省が推奨する一日におけるたんぱく質の摂取量は、10〜11歳で45g、12〜14歳では60gとなる。もっとも身長が伸びる時期には推奨されるたんぱく質の摂取量も大幅にアップするので、食事内容を見直してみるとよさそうだ。

参考までに、森永製菓株式会社が運営するウェブサイト「かんたん、わかる!プロテインの教科書」で紹介されている、タンパク質が豊富な肉類の100gあたりのタンパク質含有量を紹介しておこう。


・生ハム(24.0g)
・鶏ささみ(23.0g)
・牛もも肉(21.2g)
・豚ロース(19.3g)

運動・睡眠・食事のバランスを心がけよう

身長の伸びに必要な最後の要素は運動である。とはいえ運動についてはおそらく十分に行えているテニスキッズにおいては、睡眠と食とのバランスに注目してほしい。プロになることを目指しているテニスキッズであればなおさら、練習によって睡眠時間や朝食をとる時間が削られてしまうといった状況はできるだけ改善していきたい。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma