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2022.03.04

選手情報

自国ロシアのウクライナ侵攻を非難したパブリチェンコワ「恐怖を感じ混乱している」

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Photo by Getty Images

パブリチェンコワ「子供たちの未来を考えないと」

3月2日、女子世界ランク14位でロシアのNo.1プレーヤーのアナスタシア・パブリチェンコワは、アメリカ『CNN』のインタビューに応じ、今はただ「恐怖を感じ混乱している」と述べ、将来世代への不安も口にした。

【画像】パブリチェンコワが自身のSNSで戦争反対を表明「暴力をやめて、戦争をやめて」

パブリチェンコワは、現在世界ランク14位でロシア人選手の中ではNo.1。昨年の全仏オープンでは準優勝も果たし、グランドスラム出場回数は55回にも及ぶロシアのトップアスリートだ。

その彼女は、自国のウクライナ侵攻についてSNSで、「子供のころからテニスをやってきて、ずっとロシア代表として過ごしてきた。ここは私の故郷であり、母国。しかし、いま私は友人や家族と同じように恐怖に陥っている。それでも私は自分の立場を明確にすることを恐れてはいない。私は戦争と暴力に反対だ。個人的な野心や政治的な動機で、暴力を正当化してはいけない。これは私たちだけでなく子供からも未来を奪うことになる」と非難した。政権批判は、ロシアで拘束されるなど危険な立場になる。この発言は勇気がいるものだ。

3月2日には、WTAやATP、ITFらが共同で声明を発表。個人での大会参加は許されたものの国名・国旗の使用中止、また国を代表する国別対抗戦への参加を禁じた。パブリチェンコワは、女子国別対抗戦「ビリー・ジーン・キング・カップ」のロシアテニス連盟の優勝メンバーの一員だが、これらの決定により現時点では“ロシアの選手” として戦うことすら認められなくなった。

しかし、それは取るに足らないことだとし、今自分ができることは、著名なアスリートとしての声を使うことだという。
「恐怖を感じ、混乱しているわ。でも、私はただ声を上げることしかできない。この件にもっと多くのアスリートが発言してくれることを願っている。私は政治家ではなくテニスをする一人の女性。暴力に反対し、平和と愛を望んでいる」と、ただ平和を願う一心だとした。

また、今回のロシアの行動により諸外国から毎日のように新しい制裁が科され、経済は打撃を受けていて、“未来への不安”もある。「子供たちの未来のことを考えないと。キャリアについて、自分勝手なことは話したくない。今は私たちの未来と人生がかかっているのだからスポーツやテニスの問題ではない」と、若い世代への心配を口にした。

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