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2022.03.23

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世界No.1のバーティが電撃引退「肉体的にも感情的にも、レベルの頂点に挑戦するために必要なものはもうない」

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世界No.1バーティが衝撃の引退発表

3月23日、今年の全豪オープンを制したアシュリー・バーティ(オーストラリア/世界ランク1位)が、インスタグラムで現役から退くことを明らかにした。

【動画】バーティ引退発表の投稿がこちら

バーティは元ダブルス世界5位で親友のケーシー・デラクアさんとの対談動画を投稿。「今日、私はテニスからの引退を発表することは、難しい気持ちであり、感情でいっぱいです。このニュースをどうお伝えしたらいいのか分からなかったので、親友のケーシー・デラクア(@caseydellacqua)にお願いしました。このスポーツが私に与えてくれたものすべてに感謝し、誇りと充実感を抱いて帰ります。これまで応援してくれた皆さん、ありがとうございました!一緒に作った一生の思い出に、ずっと感謝しています?。詳しくは、明日の記者会見でお伝えします」と綴ったバーティ。

動画の中でバーティは、「実際に声に出して言うのは初めてだし、言いにくいわ。でも、とてもうれしいし、準備は万端よ。私にはもう、肉体的にも感情的にも、レベルの頂点に挑戦するために必要なものはもうない。もう限界なの。自分の力を最大限に発揮するために、どれだけの努力が必要かはわかっている。チームには何度も言っていたんだけど、私にはもうその力がない。体力的にも、もうこれ以上与えるものはない。私は、この美しいテニスというスポーツに、自分のすべてを捧げてきた」と心身ともに限界だと告白。

バーティは2014年USオープン後に一度テニスを離れた期間がある(2016年に復帰)。それもあって、「前にもやったことがあるんだけどね」と笑顔で語ったバーティだが、「(今回は)まったく違う感覚だった。テニスが私に与えてくれたものすべてに、とても感謝している。テニスは、私にすべての夢とそれ以上のものを与えてくれたわ。でも、私は今、離れて他の夢を追いかけ、そう、ラケットを置くべき時が来た」と、他の夢をおいかけるとコメント。

さらに、「昨年のウィンブルドンは、私自身、そしてアスリートとしての私を大きく変えてくれた。一つの目標のために、生涯をかけて懸命に働く。ウィンブルドンで優勝できたことは、私の夢が叶った瞬間だったし、私がテニスで望んでいた唯一の真の夢が叶い、視点を本当に変わったの。ウィンブルドンの後、直感的にそう感じ、チームともよく話をして、直感的にそう思ったの」

「キャリアの第2段階では、自分の幸せが結果に左右されないという、視点の変化があった。そして全豪オープンへの挑戦は、私にとって、私のテニスキャリアがいかに素晴らしい旅であったかを祝うための最も完璧な方法、つまり、私の完璧な方法だったと感じている。私は、いつもやりたいと思っていた他の夢を追いかけたい。みんなにとっては、理解できないかもしれないことは分かっている。でも、それでいいの。なぜなら、私には、追いかけたい夢がたくさんあって、それは必ずしも世界中を旅したり、家族と離れて暮らしたりすることではないから」とウィンブルドン優勝が一つの転機になったと明かしている。

この告白に対して、デラクアさんは「あなたはいつも自分にとって正しい決断をしているし、本当に勇気のあることだと思う。引退を楽しんでね」と言葉を送る。

それに対して、「これからはアスリートのアッシュ・バーティではなく、一人の人間のアッシュ・バーティとして、人生の次の段階を楽しむことが重要だと思う」とバーティは語っている。

バーティは通算305勝102敗を記録。2019年全仏オープン、2021年ウィンブルドン、そして今年の全豪オープンとグランドスラムを3度制すなど、シングルスで15度、ダブルスで12度優勝を果たしている。
動画で対談したデラクアさんとは、ダブルスとペアを組んでツアー5勝、2013年全豪オープン、USオープン、2017年全仏オープンで準優勝と結果を残している。

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写真=田沼武男