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2022.04.07

選手情報

ノリーが初のトップ10、ソールズベリーが複1位、ラドゥカヌがGS制覇、イギリステニス界に続く好循環

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写真提供:田沼武男、ゲッティ イメージズ

好循環が続いているイギリステニス界

4月4日は、イギリス・テニス界にとって記念すべき日になった。まずキャメロン・ノリーが初めて世界ランク10位とトップ10入りを果たし、ダブルスでは、ジョー・ソールズベリーが初の世界No.1に。シングルスでは、26位にダニエル・エバンズ、84位に元世界No.1のアンディ・マレーがいる。イギリスといえば、昨年のUSオープンでエマ・ラドゥカヌ(女子同12位)が、史上初となる予選からグランドスラム優勝を果たしている。男女を通じて、好循環にあるイギリス。他国にとってもうらやましい状況である。

【動画】イギリスの男女1位ノリー&ラドゥカヌのゲームハイライトをチェック

2017年にプロ転向を果たしたノリーが、頭角を現したのは昨年のこと。開幕戦のATP250デルレイビーチ大会でベスト4となると、全豪オープンでは1回戦でエバンズを下し、3回戦進出(ラファエル・ナダル/スペインに敗戦)。

その後、コンスタントにどの大会でも健闘していくと、7月のATP250ロスカボス大会でツアー初優勝。さらに10月開催となったATPマスターズ1000インディアンウェルズ大会でも優勝。そしてシーズン最終戦のNitto ATPファイナルズでは、ステファノス・チチパス(ギリシャ/同5位)の棄権により、代替出場を果たしている。

そして今シーズンも活躍は続く。全豪オープンでは1回戦負けとなったが、2月のATP250デルレイビーチ大会で優勝。翌週開催のATP500アカプルコ大会でも準優勝を果たし、前回優勝のインディアンウェルズ大会でベスト8、続くATPマスターズ1000マイアミ大会で3回戦進出を果たして、トップ10入りを決めている。

フットワークがよく、左利きという特性を活かしたワイドサーブがあり、フォアハンドではスピンを、バックハンドではキレの良いフラットを放つ。テニスに打ち込む姿は、マレーをして「彼は、イギリス人選手だけでなく、すべてのプレーヤーにとって、素晴らしいお手本になる存在だよ。毎日、努力を惜しまず、このスポーツに打ち込み、彼のような姿勢でいれば、キャリアは長い長いものになる」と言わしめる真摯さを持っているという。

そのマレーは、共に3度のグランドスラム制覇、オリンピック金メダル、世界ランク1位という偉業を成し遂げたイワン・レンドルコーチと3度目のタッグを組んで心機一転、始動している。こちらも楽しみである。

健常者のテニスばかりではなく、アルフィー・ヒュウェットがランキング同1位、ゴードン・リードが同4位。女子のルーシー・シューカーが同5位、クアードクラス(四肢麻痺のクラス) アンディ・ラプソーンが同3位と車いすテニスでも成功を収めている。

テニス人口をさらに広げるべく、ローンテニス協会(イギリス協会)ではさまざまな策を講じている。昨年には、850万ポンド(約13.7億円)を費やして、公共コートを改修すること、さらにその資金を増やすために、2000万ポンド(約32.3億円)を政府に掛け合っていると発表。

また、4歳〜18歳を対象としたテニスプログラム「LTAユースプログラム」を構築している同協会は、LTAユーススクール・コースを修了した学校の教師に、LTA公認コーチによる10時間のチーム指導サポートや用具購入に使える250ポンドの金券を贈呈するという試みも行っているという。いい流れにある今、ユースに力を入れて将来につなげる。それがどんな好循環を作り出すのか、興味深いところである。

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