ティエム「トップ選手を倒せるにはあと数ヵ月かかる」
全豪オープンの開幕初日となった5月22日、男子シングルス1回戦が行われ、元世界ランク3位のドミニク・ティエム(オーストリア/世界ランク194位)は、同87位のヒューゴ・デリエン(ボリビア)を相手に、一度もチャンスを握ることができず3-6、2-6、4-6で敗戦。試合後には、「『これでまたトップ選手を倒せる』と思えるようになるまでには、あと数ヵ月はかかる」と語った。
【画像】「全仏オープン」男子シングルス組み合わせ
昨年6月の右手首の怪我から復帰6大会でいまだ勝利を挙げることができていないティエムは、序盤からミスが止まらずリズムに乗れない。時折、ティエムの代名詞ともいえる豪快な片手バックハンドでの痛烈なショットを見せたが、最後までショットの精度が戻ることはなかった。
試合後、ティエムは「いい試合ではなかったが、それが現実だ。時間がかかることはわかっているし、ここで戦っている選手たちのレベルは非常に高く、僕はそこに達していない。そのために一生懸命練習したが、時間が足りなかった」と、復帰から2ヵ月足らずで迎えた全仏オープン初戦を振り返った。
では、何が足りていないのか。ティエムは、フィジカル面の問題はないと言い、「問題は練習ではフォアハンドはうまくいっていたのに、試合では全く違うんだ。グランドスラムでは、体がより緊張し、よりタイト、よりナーバスになる。そうなると多くのミスが出てしまう。今日も同じ状態だった」とする。
「何か一つが足りないというわけではなく、いろいろなものが足りないんだ。ショットに十分なパワーがないのは明らかだし、ファーストサーブの確率が低い。バックハンドはまだいいけど、スピードはない」とショット自体も良くなければ、ドロップショットやダウン・ザ・ラインを間違ったタイミングで放ってしまい、状況に応じたプレーができていないとした。
これで復帰後7連敗を喫し、昨年5月の「BNLイタリア国際」(ATPマスターズ1000)以来、1年以上勝利がない。だが、2016年6月から3度のグランドスラム準優勝や2020年のUSオープン優勝を経て、右手首を怪我するまで5年にわたりトップ10を維持した練習のメソッドがあり、「軌道に乗るためにももう一度同じことをするときだ」と前を向く。
今後、チャレンジャー大会にも出場するとしているものの「大事なのは忍耐強く、うまくいかないところを改善していくこと。1週間頑張れば、次の大会でいいプレーができるはずだ」とし、「辛抱強くやっていかなければいけないし、『これでまたトップ選手を倒せる』と思えるようになるまでには、あと数ヵ月はかかる。まずは練習で完璧にこなすこと、そして試合への移行を図ることが必要だ」と復活へのシナリオを描いた。
これまで王者ノバク・ジョコビッチ(セルビア)やラファエル・ナダル(スペイン)、ロジャー・フェデラー(スイス)らと好勝負を演じてきたティエム。またしても厳しい敗戦となってしまったが、焦らず前に進んでほしい。
■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)〜6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート
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