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2022.06.01

選手情報

ナダル、“忘れられない夜の一つ”ジョコビッチ撃破を喜ぶも「まだ何も勝ち取っていない」[全仏オープン]

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ナダル「今日のような夜のためにプレーしているんだ」

現地5月31日、「全仏オープン」男子シングルス準々決勝で14度目のタイトルを狙うラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク5位)が、前年覇者のノバク・ジョコビッチ(セルビア/同1位)を6-2、4-6、6-2、7-6(4)で下し、6年連続15度目の準決勝に進出。4時間12分の激闘の末に手にした勝利に、試合後「忘れられない夜の一つになった」としたナダルだが、一方で「まだ何も勝ち取っていない」とも語った。

【動画】ナダル、“忘れられない夜の一つ”ジョコビッチとの59度目の対戦を制す! マッチハイライト

会見の冒頭、ナダルは「いい夜だった。大会の最初から観客は素晴らしい。彼ら(観客)は僕がもう何度もここに来ることがないだろうということを知っているんだと思うよ(笑) 僕のテニス人生において最も重要な場所、そして個人的に特別な場所でプレーできていることを実感しているし、観客のサポートは言葉で言い表せないほど素晴らしいものなんだ。だから、パリのみんなには感謝してもしきれない。忘れられない夜の一つになった。ありがとう」と、まるで優勝会見のような言葉を並べた。

そうなるのも無理はない。準々決勝の相手は、2006年の初対戦から約16年の間で58度の激闘を繰り広げてきた宿命のライバルであるジョコビッチだからだ。加えて、舞台は自身が庭のように駆け回り、前人未到13度のタイトルを獲得してきた全仏オープン。3月に判明した肋骨の疲労骨折や左足の怪我のことも感情的にさせた理由の一つだ。

「僕らにはたくさんの歴史がある。互いに重要な場面で対戦してきた。ノバクとの対戦はいつも特別な試合だったね。もちろんこの3ヵ月半は僕にとって簡単なものではなかったから、感情的になってしまうんだ」とナダルは言う。観客もそれを感じたからこそ、テニス界のトップであり続けた2人が見せたラリーの応酬に大歓声が沸いた。

まさに紙一重の戦い。ナダルがセットカウント2-1として迎えた第4セット、ジョコビッチがこの試合で初めてリードを奪い、セットポイントまで握った。だが、目の前の一球をナダルはハードヒット。ジョコビッチが何としてもキープしたかったサービスゲームを破ると、勢いづいたナダルがタイブレークをものにして、一気に試合を決めた。

これで14度目の全仏オープン制覇まであと2勝と大きく前進した。それでも「僕にとってはとても感動的な夜になった。まだ今日のような夜のためにプレーしているんだ。でも、あくまで準々決勝。僕はまだ何も勝ち取っていないよ。2日後に再びコートに戻って、ローランギャロスで準決勝を戦うチャンスを自分に与えるだけだ」と本人は冷静だ。

アレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同3位)との準決勝は1日空いて6月2日。また一歩、タイトルに向けて前進することができるだろうか。


■全仏オープン2022
日程/2022年5月22日(日)〜6月5日(日)
開催地/フランス・パリ:ローランギャロス
賞金総額/4,360万ユーロ(約59億円)
男女シングルス優勝賞金/220万ユーロ(約3億円)
サーフェス/クレーコート

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma