close

2022.08.17

選手情報

プロへの道は一つじゃない! 男子トップ50でアメリカの大学テニスを経験した選手を紹介

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存


大学テニスを経験したトップ選手が増えている!?

トップ50の選手の中で、30歳以上の選手が13人。そのうち大学テニスを経験しているのはイズナー1人だ。一方、30歳未満の37人のうち大学テニスを経験しているのは4人。このデータだけで一概に大学テニスを選択する選手が増えているとは言えないが、大学でテニスをする時間を経ることがプロへの障壁になるわけではない、ということは言えそうだ。また、上記で紹介したように、アメリカにおいては大学テニスという選択肢を魅力的だと感じる選手の割合が多いと言えそうだ。

大学テニスのメリットを紹介

●豊富な予算があり、よいコーチがいる
大学によってはプライベートジェットが利用できるほど予算がある大学テニス。当然いいコーチを雇う費用も豊富であり、ジュニアからプロに移行する時期に素晴らしい環境を整えてくれる。テニスコーチだけでなく、理学療法士やメンタルコーチも備えていることがほとんどだ。食事もアスリートに必要な栄養素をしっかりととれるよう配慮されている。

●仲間ができる
基本的に一人で戦うことの多いテニスだが、大学テニスになると一人で戦う時期とチームで戦う時期があるため、チームスポーツの側面が出てくる。ツラいことはみんなで分かち合い、喜びは何倍にもなるチームスポーツのよさを享受することは、それまで孤独な戦いを強いられてきた選手たちにとって思い出深いものとなるだろう。大学を代表して戦うのも一つの魅力だ。

●テニス後のキャリアを広げる
元世界No.1のマリア・シャラポワがキャリアの途中でハーバードビジネススクールの短期講座に通ったように、多くのスポンサーとビジネス契約を結ぶテニス選手にとって、学業を修めることは重要だ。プロになる前に大学でテニスをしながら将来に役立つ勉強ができるのであれば、魅力的な選択肢であると言える。

選手としてのキャリアが終了した後も人生は続く。シャラポワは、引退後もさまざまなビジネスに携わりながら別の道での成功を実現させた、いい例と言えるだろう。

大学でテニスをするために必要なこと

●ITFでのランキング
進学する大学にもよるが、ITFでのランキングは当然重要となる。ディビジョン1の人気大学となればなおさらだ。とはいえ、大学側はランキングだけを見ているわけではない。大学ではチームスポーツの側面が出てくるため、チームの雰囲気になじめそうか、チームの哲学に合った選手かどうかを見極めている。

●英語力
アメリカの大学では、授業についていける英語力がない選手はプレーすることができない。そのため英語力は必須となる。ただし英語は必ずしもネイティブである必要はない。テニス選手のインタビューを聞けば分かるが、多くの選手の英語に独特のイントネーションがあるし、かつて英語が苦手だったが今は問題なくコミュニケーションをとれているという選手も少なくない。

英語はコミュニケーション手段であり、伝われば問題ない。今はオンラインでネイティブスピーカーと話せるサービスや、しっかりとしたカリキュラムに則ったレッスンを提供するサービスが多数用意されているので、高い意識を持って早いうちから準備するようにしたい。

●その大学でプレーしたいという気持ち
NCAAに選手を紹介するエージェントによれば、“どこでもいいから大学でテニスをしたい”という選手より、“絶対にこの大学でテニスをしたい”という強い思いを持った選手のほうが大学側から好まれるそうだ。当然と言えば当然だが、自分が一番行きたい大学については強い思いを言葉にできるようにしておきたい。

ある選手は、一番行きたい大学でのトライアウトに参加した後、その思いを大声で語った動画をSNSに投稿した。その投稿を大学側もエージェントも視聴しており、「こんなに強い思いを持っているのなら」とスカウトに大きな影響を及ぼしたそうだ。

プロへの道は一つじゃない

幼い頃から才能を開花させ、プロになるまで突き進む選手もいる。小学生最後の大会で3冠を達成することが日本からプロになるための指標となっているような話も聞いたことがある。


だが、テニスでプロになる道は決して一つではない。長いキャリアとキャリア後の人生を考えた時に自分がどんな人生を歩みたいのか、そのためには何が必要なのかを早いうちからしっかり考えることが大切だ。大学テニスは、ジュニアからプロになっていく時に選手の成熟度を高めるいい選択肢の一つだと言えるだろう。

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録