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2022.09.01

選手情報

キリオス、世界50位を下し3回戦へ。勝負所で難しいショットを決める「予測できないことを大事な場面でできるのが僕の強み」[USオープン]

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キリオス、世界50位のボンジを下し3年ぶりに3回戦進出

現地8月31日、USオープン男子シングルス2回戦が行われ、第23シードのニック・キリオス(オーストラリア/世界ランク25位)は、バンジャミン・ボンジ(フランス/同50位)を7-6(3)、6-4、4-6、6-4で下し、3回戦進出を果たした。

【動画】キリオス、ボンジのダイビングも届かない鮮やかなパッシングショット!&マッチハイライト

7月のウィンブルドンでグランドスラムのシングルスで初めて決勝に進出したキリオス。その後も好調を維持しており、「シティ・オープン」(アメリカ・ワシントンDC/ATP500)で優勝。今大会1回戦では、ダブルスのパートナーであり親友のタナシ・コキナキス(オーストラリア/同70位)を6-3、6-4、7-6(4)と快勝している。

2回戦では、初戦で同胞のウーゴ・アンベール(フランス/同138位)を3時間半超の熱戦の末に下したボンジとの対戦となった。

第1セットは、互いに1度ずつサービスゲームを破ってタイブレークに突入。ここで精度の高いパッシングショットを見せ、ボンジにリードを許さなかったキリオスが、2-3から一気に5連続ポイントで第1セットを7-6(3)で取りきる。

第2セットも順調にサービスをキープしたキリオスだが、ミスも増えてボンジのサービスゲームをブレークできずフラストレーションを溜める。それでも第10ゲームで、正確なショットでボンジに難しいボレーを強いて、ミスを引き出しセットポイントを握ると、続くポイントも奪って6-4。2セットアップと大きなアドバンテージを握った。

一気に試合を決めたいキリオスだったが、第3セットは、第9ゲームでボレーをネットにかけてブレークされ、唾を吐きかけ警告を受けるなどイライラを募らせたまま4-6でセットを落とす。

第4セットも先にブレークされ不穏な空気が漂ったが、すぐさまブレークバックするとその後のピンチも強気の姿勢を崩さず。5-4でのボンジのサービスゲームをブレークし、3回戦進出を果たした。

試合後、「彼のレベルは本当に高かったよ。4セットで勝てたのはラッキーだった。(第4セット)4-4の0-40で負けていたけど、そこを抜け出すために確率の低いテニスをした。生き残るためには必要な試合の一つだったね」と振り返ったキリオス。

勝負所となった第4セットの4-4では、相手の意表を突くドロップショットや難しい体勢でフォアハンドのアングルショットを放つなど、自身でも“確率の低い”プレーで0-40というピンチをしのいだ。

普通の選手では選択しないようなショットだが、これこそが自分のプレーだとし、「予測できないことがあることと、それを大事な場面で気にすることなくできることが僕の強み。他のプレーをしていれば、ブレークされることがわかっている」と語った。

3回戦では、地元アメリカのJ.J.ウルフ(同87位)と対戦するキリオス。これまでのUSオープンでは3回戦止まりで、ファンの期待以上に勝てない自分がいて、ひどく落ち込んでいたと言う。だが、「今ならグランドスラムの決勝に行けると思うし、本当に実現したい。チームとともにやり遂げたいんだ」と目標を持って今大会に臨む。3回戦の壁を破ることができるだろうか。


■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma