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2022.09.12

選手情報

アルカラス、「飢えている」とさらなるタイトル獲得に意欲! グランドスラム初制覇&史上最年少世界1位[USオープン]

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アルカラス「何週間、何年でもトップに立っていたい」

現地9月11日、USオープン男子シングルス決勝が行われ、第3シードのカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク4位)が、第5シードのキャスパー・ルード(ノルウェー/同7位)を6-4、2-6、7-6(1)、6-3で下し、グランドスラム初優勝を果たすとともに、史上最年少19歳4ヵ月での世界ランク1位に。試合後には、さらなるタイトル獲得へ「もっと飢えている」と語った。

【動画】USオープン2022でアルカラスが魅せたベストポイント集&決勝マッチハイライト

2005年に19歳2日で全仏オープンを制し、グランドスラム初優勝を飾ったラファエル・ナダル(スペイン/同3位)以来、10代でのグランドスラム制覇を成し遂げたアルカラス。史上最年少での世界ランク1位も、2001年11月にレイトン・ヒューイットが記録した20歳9ヵ月を大幅に更新し、初めて10代の王者が誕生した。

試合後の会見で「19歳でこのようなことを成し遂げられるとは思ってもみなかった。だから、すべてがあっという間だった。自分でも信じられないよ。子供の頃から、テニスを始めた時から夢見ていたことなんだ。今日、このトロフィーを掲げることができたのは素晴らしいことだ」と振り返ったアルカラス。

「正直、マイアミで優勝した時からグランドスラムを手にすることができると思えた」と、今年4月のATPマスターズ1000での優勝が大きな自信となり、わずか5ヵ月後にグランドスラム制覇を果たした。

アルカラスのプレーは、アグレッシブにボールを叩いて相手を圧倒する力技だけでなく、厳しいボールでもコートを縦横無尽に走り、拾ってみせるコートカバーリング、負の感情を表に出すことは少なく、ポジティブな感情を露わにし観客を味方にする。テクニック、フィジカル、メンタルのどれをとっても一流。

そのプレーに魅了されたファンの声援は、大会を追うごとに大きくなり、地元アメリカのフランシス・ティアフォー(同26位)との準決勝でも彼に劣らないほどの応援を受ける。「ここニューヨークで多くの人が応援してくれることは、僕にとって大きな意味がある。僕にとってタフな瞬間、試合がたくさんあったけど、ずっと僕を信じて、応援してくれていたんだ。ヤニック(・シナー)との試合は夜中3時近くに終わったけど、最後の一球まで応援してくれた。このトロフィーは、彼らのおかげだね。彼らが応援してくれていなかったら、今日のトロフィーはない」と断言した。

グランドスラム制覇、世界1位というテニス選手なら誰しもが目標とすることを一度に成し遂げたわけだが、アルカラスは「今この瞬間を、トロフィーを手にして楽しんでいる。でも、僕はもっと飢えているよ。何週間、何年でもトップに立っていたい。素晴らしい2週間が終わったから、またハードには働くつもりだ。もっともっと頑張るよ」と、さらなるタイトル獲得へ意欲を燃やす。

また、元世界ランク1位で15歳の頃からアルカラスを指導しているファン・カルロス・フェレーロ氏も「彼の力はまだ60%。多くのことを改善することができるし、彼も僕も努力を続けていかなければならない。一度世界1位になったからといって、それで終わりじゃない」と高みを目指して邁進していく必要があると語った。

2021年からATPツアーに本格参戦し、わずか1年半でグランドスラムの頂点に立ったアルカラス。これから19歳はどのような進化を遂げるのだろうか。


■USオープン2022
・大会日程/2022年8月29日(月)〜9月11日(日)
・開催地/USTAビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニス・センター(時差13時間)
・賞金総額/6,010万ドル(81億7,390万円)
・男女シングルス優勝賞金/260万ドル(3億5,360万円)
・サーフェス/ハードコート(レイコールド)
・使用球/[男子]ウイルソン「USオープン・エキストラ・デューティ」、[女子]ウイルソン「USオープン・レギュラー・デューティ」

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma