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2023.06.05

選手情報

加藤未唯の失格に対戦相手は「私たちを批判している人は試合を見ていない」と母国メディアに吐露

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失格処分を受けた加藤未唯の対戦相手「ボールは、ビデオで見たものより2倍強かった」と母国メディアにコメント


全仏オープン女子ダブルスで起こった加藤未唯(ザイマックス/ダブルス世界ランク31位)の失格という悲劇。サラ・ソリベス・トルモの母国スペインでは、どんな報道をしているのだろうか。

【動画】加藤未唯の放ったボールがボールキッズの頭部に直撃したシーン

問題のシーンが起こったのは、現地6月4日に行われた女子ダブルス3回戦の第2セット。加藤が渡そうとしたボールが直接ボールキッズの頭部に当たってしまう。泣き出して止まらない状態となり、結果的に失格となってしまった。

加藤はツイッターに「今日の不幸な事故について、ボールガール、パートナーのアルディラとチーム、そしてファンの皆さんに心からお詫びします。完全に意図的なものではありませんでしたが、大会から賞金とポイントを剥奪されるペナルティを受けました。引き続きサポートをお願いします」と投稿。これに対してアリーゼ・コルネは「非常識な決断。本当に残念ですが、多くのプレイヤー(明らかにマリーとサラを除く)があなたを応援しています」と応援するメッセージを送っている。コルネのほか、多くの選手、関係者が加藤の失格について応援する言葉を送っている。

この騒動について、ソリベス・トルモの母国・スペインのスポーツメディア『マルカ』では、「ソリベス、ライバルの失格を正当化『ボールはビデオで見たものより2倍強かった』」という見出しで報道。ソリベス・トルモの「私たちを批判している人たちは、試合を見ていない。試合を見た人はそう思っていない。ボールは、ビデオで見たものより2倍強かったし、私たちは、そんな態度は取っていない」というコメントを紹介している。

また、日本人を失格にする決定はスーパーバイザーが下したものと主張したと綴り、「ルールはルール。もし、マリーや私がそんなことをしたら、素直に立ち去るわ。ここには敬意を払うべき関係者がいる。あの子にあの時のようなパニック発作を起こさせることはできない。20分も泣いていたんだからね。この話題について語る人は、もっと試合全体を見るべきだわ。そうすれば、その視点は変わるだろう」と苛立っているようなコメントも語ったとしている。

もう一つのスペインメディア『アス』は、「ボールガールが泣いていたのは、私たちを怖がらせたからだと伝えたわ。スーパーバイザーが判断したことで、私たちが決めたわけではない。私たちは何も悪いことはしていないし、これ以上何も言えません」と会見で答えたと紹介。

そしてソリベス・トルモとボウズコワは、失格が確定した際、相手ペアをバカにしたような態度を取ったこと、また主審やスーパーバイザーに、失格を求めたとして批判を受けていて、ソリベス・トルモのインスタグラムには7,000を超える批判が届いていると書いている。

処分が下された以上あと戻りはできないが、ツアーを回る選手にとって賞金・ポイントの剥奪はあまりにも痛いもの。また、多くの日本人ファンから直接応援を受けられるグランドスラムという舞台で悲劇が起きてしまった加藤のメンタルも気掛かりである。早く良い方向に向かってほしい、そう願うばかりである。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma