6月29日、2020年1月に引退した元女子世界ランク1位のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が、現役復帰を果たすと自身のSNSで発表。「夢を追い求めることができることを子供たちに見せたい。今がその時だと決めた」と綴った。
【画像】「夢を追い求めることができることを子供たちに見せたい」と現役復帰を明らかにしたウォズニアッキのSNS
関節リウマチを患ったことや2019年に結婚した元NBA選手のデビッド・リーさんら家族との時間を優先し、2020年の全豪オープンを持って現役を退いたウォズニアッキ。
自身のSNSで「現役から離れたこの3年間で、私は家族との失われた時間を取り戻すことができた。母となり、今では2人のかわいい子供がいることに感謝している。でも、私にはまだ達成したい目標がある。年齢や役割に関係なく、夢を追い求めることができることを子供たちに見せたい。家族として、今がその時だと決めた。プレーするためにカムバックする!」と綴り、今年後半のハードコートシーズンで復帰すると明らかにした。
すでにワイルドカード(主催者推薦)で出場する大会があり、8月の「ナショナル・バンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)を経て、2度の決勝を経験しているUSオープンに出場する。予定通り出場となれば、2020年の全豪オープンから実に3年半ぶりのツアー復帰となる。
ウォズニアッキは、アメリカ・ヴォーグ誌で「昨年末のある日、気が付くとコートで何度かセッションをしていた。父が訪ねてきたとき、アドバイスが必要だと思ったの。そして父に言ったわ。『今までよりいい感じで打てている気がする』と。その時、再びコートに戻らなければならないと思った」と復帰に思い至った経緯を説明。父にも「楽しそうにプレーしているね」と言われ、数週間後に「私はコートに戻るべきか?」と夫に尋ねたところ、「なんでダメなんだ? 人生は一度きりだよ」と背中を押され、今回の現役復帰を決断したという。
また、23度ものグランドスラムタイトルを獲得したセリーナ・ウイリアムズにも復帰の計画を相談。コートに戻ることを喜んでくれたとし、「家族と一緒にいたいという理由で自分の夢を諦めた女性たちに何かしらの道があるかもしれないということを伝えたい」と母親として戦う意義があるとした。
3年以上のブランクがあり、7月に33歳の誕生日を迎えるウォズニアッキ。その年齢でのグランドスラム制覇はマルチナ・ナブラチロワやフラビア・ペンネッタ、セリーナ・ウイリアムズの3人しかおらず、厳しい戦いを強いられるかもしれない。
だが、ウォズニアッキにとってこの戦いは一過性ではない。「いつまで自分の最高レベルでプレーできるかわからない。でも、子供たちが小学生になってからでは遅すぎるのはわかる。自分を信じていなければ、こんなことはしていない」と勝利を目指し、USオープンだけでなく来年の全豪オープンでのプレー、パリ五輪への出場も狙っているとしている。
ツアー通算30度の優勝を誇るウォズニアッキは、2010年10月にデンマーク人選手として初めて世界ランク1位にたつと、その後71週にわたって1位をキープ。その後も上位を維持したが、グランドスラムとは縁がなく“無冠の女王”とも呼ばれた。だが、グランドスラム43度目の出場となった2018年の全豪オープンで悲願の初優勝。6年ぶりに世界ランク1位となった。
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