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2023.07.19

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誤審、ブーイング、相手の蛮行…世界45位ジャンが涙の途中棄権。相手に「スポーツマンシップのかけらもない」と批判殺到

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Photo by Getty Images

ライン際の判定を巡って世界45位ジャンが猛抗議も実らず。涙を流し、途中棄権


7月18日、「ハンガリアン・グランプリ」(ハンガリー・ブダペスト/WTA250)シングルス1回戦、世界ランク45位のジャン・シューアイ(中国)は、地元ハンガリーの20歳、アマリッサ・トート(同548位)と対戦。第1セット終盤に起きたライン際の判定を巡って猛抗議したものの、観客のブーイングなどもあり涙を流して途中棄権した。

【動画】ジャンのショットはラインを捉えるもアウトに…涙の棄権で相手はガッツポーズ

試合は、互いに2度ずつ相手のサービスゲームを破り、5-5でセット終盤に。だが、第11ゲームの15-15で問題は起きた。ジャンの放ったフォアハンドのクロスが、サイドラインぎりぎりに落ちて、線審は迷ったのか遅れてアウトと声を上げる。すぐさま審判はボールの跡を確認したが判定は変わらない。

しかし、ジャンもネット際でボールマークを確認しており、自身のショットが明らかにラインにかかっているとわかって猛抗議。スーパーバイザーに確認を求めたが、主審の決定を尊重したいのかボールマークを見に行かない。5分以上の抗議に地元選手を応援する観客からブーイングが浴びせられ、「タイムバイオレーション」などと野次が飛ぶと、相手のトートはそれを止めることなく苦笑いを浮かべた。

クレーコートの大会によっては機械によるボールマークの確認ができる大会もあるが、今大会はそれができない。納得がいかないながらも試合を再開したジャンだったが、次のポイントが終わるとトートはボールマークのもとへ。「待って、マークを残して」とジャンが声をかけたものの、ボール痕を踏みつぶして確認できないようにした。

その後、再度プレーが始められたものの、明らかに目が泳いで集中できていないジャンは、このゲームをブレークされてしまう。5-6となり、コートチェンジでベンチに戻ったジャンは涙を流して棄権することを決断。納得のいかない判定だったものの、審判と対戦相手とも握手をしてコートを去った。一方、トートはツアー大会で初勝利ということもあってか、握手を交わしてすぐに両手を掲げてガッツポーズ。この行動も「相手の棄権を祝うのはスポーツマンシップのかけらもない」などと批判されている。

これには女子選手も反応。女子世界ランク63位のアイラ・トムヤノビッチ(オーストラリア)は「絶対に嫌な行動。シューアイは、審判と相手の手を握ったことで私たちよりも良い人間だ」とジャンの行動を称賛。トートと同じ大会に出場中の元世界ランク20位のダリア・サビル(オーストラリア/同222位)も「このトートという女の子に対するリスペクトはゼロだ! とても怒っているし、シューアイがかわいそう」と綴り、トートを批判した。

試合後、ジャンは自身のSNSで「練習の努力が間違っていた。だって、よりライン際に打ちたかったのに、ラインに触れてもアウトになるんだから。サポートしてくれたみんな、そして私の味方でいてくれた方たちが大好きだ」と皮肉交じりに綴っている。

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