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来年発売のウイルソン新モデルのキーワードは“速さが世界を変える”
長くテニスを見てきている人にとって、「ここまでテニスは変わったか」と思わざるを得ない状況に今まさに来ているかもしれない。
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1970～80年代にかけてジョン・マッケンローやビヨン・ボルグ、ステファン・エドバーグらがサーブ＆ボレーでファンを魅了した。当時のラケットは金属やウッドラケット。反発性能は低く、フェイス面積も小さいため、ピンポイントでボールを捕らえなければ飛ばすことさえ難しい。
そこからさまざまな素材が使われ、いまではラケットの素材はカーボンが主流に。反発性能が向上するとともに、軽量化によりスイングスピードも上がったことで、テニスのプレーは高速化しスピン量も増えた。特に「黄金スペック」と呼ばれるラケットは、メーカーにとって現在に至るまで超売れ筋商品。重量は300グラム、フェイス面積は100平方インチ、フレーム厚は最大26ミリ、バランスは320ミリというスペックは、一般アマチュアがラケットを買ううえで見るべき数値かもしれない。
「ボールを楽に飛ばせる」。実に聞こえのいい言葉だが、プロにとっては良いことばかりではない。ある女子のトッププロは、普段の練習で自分が正しいスイングをしているにもかかわらず、ラケットのパワーが大きすぎてベースラインをオーバー。イメージ通りのショットを打てないことが何度も重なったことで自身ではなくラケットを疑い、契約するラケットメーカーを変えたという。それほどラケットがボールに与える影響は大きいのだ。
そして、この数年でまたテニスの高速化が進んだようにも思える。史上最年少で世界ランク1位になったカルロス・アルカラス（スペイン）やヤニック・シナー（イタリア）、ベン・シェルトン（アメリカ）などの若く、勢いがある選手は鍛え上げたフィジカルを生かして次々と強烈な一打を放つ。それは高く跳ねるボールで相手を追い込むプレースタイルから強打の応酬が増えた。また、女子でも9月に世界ランク1位となったアリーナ・サバレンカのフォアハンドは、今年の全豪オープンでWTAトップ100の平均よりも9km/hほど速い123.4km/h。今年2月のATPの記事によるとシナーの平均フォアハンドスピードが125.2km/hということからも、男子のテニスに女子も近づいていることがわかる。テニスの高速化にともなって、ラケットもフレーム厚が20ミリ台前半のラケットを使用する選手が多く、メーカー各社もそのラインナップに力を入れている。
男子顔負けのハードヒットで今年9月に世界ランク1位となったアリーナ・サバレンカ
その状況にある中で男女世界ランクTOP100（11月27日付）で30％以上のシェアを誇るウイルソンは、来年2月に新しいラケットを発売する。詳細はまだ明らかにされていないが、キーワードは“速さが世界を変える”。
現代のスピードテニスで優位に立つため、プレーヤーが思い描く球筋を叶えつつ、パワーと安定性という相反する要素を実現した。さらに、トッププロは市販されるラケットからカスタマイズされたものを使うことになるが、それでも大きく打感を変えることができない。より繊細な感覚、タッチを得られるようにフィーリング面でもこだわったラケットになっているという。フレーム厚が薄くなれば、そのぶん扱いにくさが増すのではないか？
その不安を一蹴し新モデルの魅力を世に広めるためウイルソンは、現在「PROJECT 47」という名目でアンバサダー募集を開始。47ある各都道府県から1年にわたってブランドの啓蒙活動する「伝道師」を結集する。来年1月には新モデルを先行して打てる試打会イベントも実施を予定。ウイルソンのアンバサダーの一員として応募してみてはいかがだろうか。
Project47の概要はウイルソンオフィシャルページからご確認ください。
◆URL：https://jp.wilson.com/pages/project-47
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