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2017.12.20

メーカーズボイス

「縦ポリ × 横ポリ」はストリングの性能をさらに高める革命的なハイブリッドとなる予感

「プロの世界では、大会ごとに張るストリングも変わります。今年のUSオープンで目立ったのが、2種類のポリ × ポリというハイブリッドでした。ハイブリッドというと、縦か横のどちらかにナチュラルを入れるセッティングをイメージする人が多いと思いますが、スピードとパワーを考えたら、2種類のポリ × ポリというのはメリットがあるんです。ポリでも違う銘柄のストリングを張る選手もいますが、目立つのはゲージ違いです。つまり同じ銘柄で太さの違うものを張るケースなんです」



こう語ったのは、テニスクラシックの連載でもおなじみ、ウイルソン・グローバル契約ストリンガーの細谷理氏(オンコートラケット)。テニス界の今を知る一人だ。その細谷氏が語るのが、2種類のポリ × ポリという新たなハイブリッドの流れだ。



「基本的に、ストリングは縦に張ったものの特徴が出やすくなります。縦に細いゲージのものを張れば、その分、パワーも打球感もアップする。またスナップバック※1 も起きやすくなるからスピンも増えます。例えば縦に1.20mmのアル・パワー・フィールを、横に1.25mmのアル・パワーを張っていたベルダスコ選手のような張り方が、その流れです。縦横の本数がどちらも多めのラケットであれば、細いポリ × 細いポリという選択だってありますし、粗い目になればなるほどマス目にかかるストレスが大きくなるので、細いと切れやすいという懸念も出てきますから、何を張るかというのは、好みという部分も大きいですね」(細谷氏)
一口に2種類のポリ × ポリの流れが来ている、といっても、各選手の好みもあるので、選択は人それぞれということのようだ。下記をご覧いただきたい。




ルキシロンで2種類のポリ × ポリをチョイスしている6選手のデータだが、異なる銘柄を選択する人もいれば、ゲージ違いを選ぶ選手もいる。細谷氏の言葉のとおり、"ハイブリッド"といったら、ナチュラルと何かを組み合わせるというのが、これまで定番となっていた部分がある。そこに、2種類のポリ×ポリという新たな概念が増えることで、ストリングの選択はさらに幅広くなるし、調整する楽しみも増えることだろう。

それでは「2種類のポリ × ポリ」を実際に打ってみたら、その打球は一体どうなるのか!? 恐縮ながら、一般プレイヤーの代表!! として、編集部(広)と(川)が、プロでも圧倒的な使用率を誇る「Alu Power 125(1.25mm)」「Alu Power Feel(1.2mm)」各種ハイブリッドの試打大作戦を実施した。結果やいかに!?(ラケットはすべてPRO STAFF 97を使用)
※1=打球時にストリングがズレて戻る動きのこと。スピン発生のメカニズムであり、それがより大きく速くズレて戻ればスピン量は増える)



1、縦:アル・パワー125 × 横:アル・パワー125



テニスクラシック編集部(広)
個人的判断➡〇GOOD


「モニュ」とボールを包み込むような柔らかな打球感、とても気持ちよくプレーできた。ポリというと、一般的には"衝撃が響く"とか"硬い"とかいうイメージをお持ちの方もいるかもしれないが、アル・パワーはまったく違う。スイートエリアでなく、スイートスポットに当たった時は、打てば打っただけビュンと速いボールが飛び、逆にある程度インパクトポイントがバラけても範囲内に抑えてくれる安心感もある。ボレーもいいものの、ストロークでこそ本来の良さが出るように思う。さすがはアル・パワーだ。

テニスクラシック編集部(川)
個人的➡△SO‐SO


「僕にとっては硬かった。鉄板のような感覚が少しある。それでもアル・パワーの反発性はうなづけるし、スピンもかかりやすかったので、アル・パワーだけの単張りも好きな人はいると思う。「自分からガンガン打って攻めたい!」というプレイヤーにオススメ。ただ、後述のハイブリッドにしたものと比べてしまうと、一般プレイヤーの僕にとってはハードだった。



2、縦アル・パワー125 × 横アル・パワー・フィール120



テニスクラシック編集部(広)
個人的➡△SO‐SO


多少柔らかさが出るはず...と思ったが、少し振動が増えて、アル・パワー×アル・パワーより硬さが増したように感じた。ただ、弾きがよくなった感覚あり。加えて、本来は相反するものだが、コントロール面でもプラスになったように感じた。しかし、コントロールに関してはスイートエリアで捕らえた時の話。少し外れた場合に、狙っているところからズレて飛んでいく感覚がある。弾きが良いなと感じる部分は、特にボレーでは生きるように思った。


テニスクラシック編集部(川)
個人的➡〇GOOD


アル・パワーのよさ、少し硬めの反発性があるというストリングに、横にアル・パワー・フィールを使うことで、アル・パワーの特徴を生かしつつ、その奥でアル・パワーフィールの柔らかさを感じた。ボールのホールド感もあがった感じがあり、それによりボールコントロールがしやすくなったと思う。



3、アル・パワー・フィール120 × 横アル・パワー・フィール120


テニスクラシック編集部(広)
個人的➡〇GOOD


打球感よし! パワーよし! スピンよし! めちゃくちゃイイボールが飛んでいってくれる。これは一発の気持よさを求める私のようなプレイヤーにはオススメ...と思うのだが、ボールを捕らえる位置によって少しシビアに感じる部分がある。常にスイートエリアに当てられるという上級者ならば、このセッティングは絶対オススメ。忠実に打ちたいボールを再現してくれるのでいいと思う。...が安定性という部分を考えて「〇GOOD」という判定にした。

テニスクラシック編集部(川)
個人的➡〇GOOD


フィールは、すごく柔らかかったしポリじゃない感覚があった。ポリの中でもすごく打ちやすいストリングだと思う。ホールド感が優れているからボールをしっかり押し出すことができるし、それに伴ってスピンもかけられる。ただ、アル・パワーを組み合わせたものと比べると、物足りなさを感じてしまった。



4、アル・パワー・フィール120 × 横アル・パワー125



テニスクラシック編集部(広)
個人的➡◎Excellent


非常にバランスがいい。飛ぶし、フィーリングもいいし、スピンもかかった!
という感覚がある。また、アル・パワー・フィール同士ではシビアに感じる部分があると書いたが、横にチョイスしたアル・パワーがそうさせるのか、ミスをカバーしてくれる感覚がある。単なる一発のショットなら、アル・パワー・フィール同士がいいが、長いラリー、試合といった単位で考えると、このパターンが最もパフォーマンスが高いと思う。

テニスクラシック編集部(川)
個人的➡◎Excellent


この逆のパターンに比べて、よりアル・パワー・フィールの柔らかさをすごく感じることができた。この逆ではアル・パワーの特徴をメインに感じ、その奥でかすかにアル・パワー・フィールの特徴を感じ取れるぐらいだったが、このパターンでは、その逆。そのアル・パワー・フィールの性能がいいから打っていてすごく気持ちがいい。ポリを打っているとは思えないホールド感を味わい、アル・パワーでボールを弾いてくれる。「2種類のポリ×ポリってアリなんだ!」って思わせてくれる組み合わせ。

〜 ポリ×ポリ試打大作戦 編集部の評価 〜



ALU POWER
単張 2,900円(税抜き) REEL オープンプライス
素材: ポリ・エーテル・エーテル+アルミ・ファイバー
タイプ: モノ・フィラメント
ゲージ: 1.38mm、1.25mm
長さ: 単張 12.2m 、REEL 220m
カラー: シルバー
MADE IN BELGIUM


ALU POWER FEEL
単張 2,900円(税抜き)   REEL オープンプライス
素材: ポリ・エーテル・エーテル+アルミ・ファイバー
タイプ: モノ・フィラメント
ゲージ: 1.20mm
長さ: 単張 12.2m 、REEL 200m
カラー: シルバー
MADE IN BELGIUM

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