close

2017.07.20

メーカーズボイス

ウィンブルドン2017 REPORT

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存


ビーナス・ウイリアムズ
頂点を極めた女王はさらに高みを目指す

1月の全豪オープンでは、妹のセレナに敗れながらもグランドスラムとしては2009年のウィンブルドン以来となる決勝進出を果たし、輝きを取り戻したビーナス・ウイリアムズ。 セレナが新しい命を授かり、戦いの場から離れている今、ビーナスはまるで妹の分をも背負うように芝の上の戦いに臨んでいた。2回戦ではランキング上昇中のワンに第1セットを先取されてから逆転勝ちとグランドスラム序盤ならではの怖さも乗り越え、準々決勝では全仏女王のオスタペンコの強打をかわし、記念すべきウィンブルドン100勝目を飾った。 ビーナス特有のポイント間のゆったりとした間合いは、静かなウィンブルドンで彼女の存在感をさらに際立たせ、「ブレードSW104オートグラフCV 」から放たれる重厚なサーブやストロークは、このコートで5度の優勝を誇る女王の威厳に満ち溢れていた。


6月で37歳となったビーナスは9年ぶりの優勝を目指して決勝のコートに立ったが、あと一歩、届かなかった。しかし、敗れたビーナスは新女王となったムグルザのプレーを称え、「ここが私のいたい場所。勝っても負けても学ぶことがある」と振り返った。プレーヤーとして頂点を極めながらさらに高みを目指す。ビーナスにしか見えない世界がそこにはある。

グリゴール・ディミトロフ
聖地で蘇った
ベイビー・フェデラー


4回戦にてフェデラーに敗退のグリゴール・ディミトロフ

今シーズンは、開幕戦のブリスベン国際で錦織 圭を破って優勝、全豪オープンでベスト4、そして母国ブルガリアで開催のソフィア・オープンでシーズン2勝目と、かつてない好調なスタートを切ったグリゴール・ディミトロフ。しかし、スタートダッシュにあまりに力を注いでしまったのか、その後3月のマイアミ・オープン(ハード)、4月のハッサン2世グランプリ(クレー)、モンテカルロ・オープン(クレー)と、3大会連続で緒戦敗退を喫して勢いを失ってしまった。さらに、その後も出場5大会中、2大会で初戦敗退と、まるでかつての浮き沈みの激しいテニスに逆戻りしてしまったかのようにも見えた。

そんな中、迎えたウィンブルドンでディミトロフは、小柄ながら戦術と機動力に長けたアルゼンチンのシュワルツマン(1回戦)、老獪で魔術師のようなキプロスのバグダティス(2回戦)、オールラウンドでベテランらしいしたたかさを見せるイスラエルのセラ(3回戦)を破り、ベスト16に勝ち進んだ。プロスタッフ97Sを右手に携えたディミトロフのスケールの大きなテニスは、"聖地"で水を得たかのように蘇った。

4回戦で顔を合わせたのは、フェデラー。王者の壁は厚かったが、心と体の奥深くに刻まれたその打球の感触は、シーズン後半に向けて、ディミトロフのテニスに強い影響を与えるに違いない。

ウイルソン情報なんと400以上のウェブマガジン [Wilson Web Magazineバックナンバー(2011年1月号~2020年3月号)]
 

 
 
 
 

 

 

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録