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2017.06.20

メーカーズボイス

全仏オープン2017 REPORT

錦織 圭
世界No.1を圧巻する場面も
何度となく劣勢を跳ね返し、掴んだベスト8

2017年全仏オープン、錦織 圭の成績はベスト8。それは2年前の全仏最高成績と同じ。だが、優勝の可能性も垣間見られただけに、悔やまれる全仏だった。



錦織がこの全仏で握ったラケットは、「BURN 95 CV REVERSE(数量限定かつ日本限定モデル)」。前哨戦から使い出したスペシャルモデルだ。そこに込められた想いは"劣勢をひっくり返せ"。そのラケットの力もあったのかもしれない。何度となく訪れた難局を乗り越えてのベスト8だった。

1回戦の相手は、コキナキスだった。故障からやっと復活したオーストラリア期待の若手だ。試合の前には"作戦を立てなければならない"と語るなど、錦織も警戒をして臨んだ初戦だった。しかし、コキナキスは「予想以上に打ってきて面喰った...」(錦織)というように、第1セットは奪われてしまう。しかし、ここで自分のプレーを上げられるのが錦織の強さ。立て直すと3-1で退けた。続く2回戦のシャルディ戦は、終始、相手を圧倒。シャルディも「なすすべがなかった」と振り返ったとおり、途中12ゲームを連取するなど、錦織のショットが冴えわたり、ストレートで勝利すると、シャルディはその強さに"優勝の可能性がある"と太鼓判を押した。

しかし、続く3回戦チョン(韓国)、4回戦ベルダスコ(スペイン)は思わぬ苦戦を強いられることに。
3回戦、錦織は2セットアップするが、チョンが徐々に錦織のショットに対応を始める。第3セットを奪われると流れが変わり、第4セットを0-3とされてしまう。なかなかショットが決まらない状況に、錦織も明らかにフラストレーションを貯めていたが、ここで雨天により試合が中断される。翌日に持ち越された試合は、その第4セットはベーグル(0-6)を決められてしまう。ただ、休んだことで状況は好転していた。"諦めずに戦った"という錦織は、第5セットに入ると、主導権を奪い返し、何とか勝利をもぎ取った。



4回戦のベルダスコ戦、第1セットは、まさかのベーグルを食らい、錦織の動きも本来のものではなかった。「このままいくと簡単にやられる。少しでも深く返して、攻めの形に転じようと意識した。そうしたらボールがラケットに乗る感覚が出てきた」と錦織。第2セットに入ると、力感こそないものの、ベースラインの中でベルダスコのボールを処理してキープしていく。すると、ベルダスコが徐々にバテていく。強打するものの、決め切れないベルダスコ。その中で、錦織は復活した。6-4、6-4とセットを連取すると、第4セットは6-0。準々決勝進出を決めた。

そして、準決勝の相手は世界No.1のA.マレー(イギリス)。記憶に新しいのはUSオープンでの勝利だ(が、会見で質問されると、錦織はそのことを覚えていないらしい...)。

ベルダスコ戦終盤で、つかんだリズム。それをこの試合に持ち込んだようだった。第1セット、速いテンポで左右にショトを打ち分けると、世界No.1をショットで翻弄。6-2で第1セットを奪った。ただ、簡単に敗れるマレーではない。第2セットを奪い返されると、第3セットはタイブレークに。ここで錦織は、まさかのミスが続いてしまう。1ポイントも奪えずに、タイブレークを落とすと、第4セット、マレーが隙を見せることはなかった。 「集中力を持続して攻撃的にプレーしていれば、戦況は変わっていたかもしれない」、錦織は試合後に振り返っている。

敗れはしたものの、いくつもの劣勢をひっくり返して勝利をものにした。特にベルダスコ戦終盤、そしてマレー戦の第1セットでは、ゾーンに入ったかのように、試合を支配した。そのプレーぶりは、2014年のUSオープン(準優勝)とダブるもの。"近い内に、高みにチャレンジするチャンスがあるはず"――見ている者にそんな予感を持たせるプレーぶりだった。

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