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2017.03.20

メーカーズボイス

フェデラーが選んだ「CHAMPION'S CHOICE DUO」 錦織が選んだ「KEI'S CHOICE PREMIER III」

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「ハイブリッド張り」は、今やプロツアーであたりまえの張り方である。メイン(縦)とクロス(横)に異なるストリングを張り、飛びやパワー、スピン性能、安定感などさまざまな特徴をミックスできることがメリットだ。



ウイルソンでは、3種類のハイブリッド用セットを発売している。その内2種類、フェデラーが使う「CHAMPION'S CHOICE DUO」、錦織が使う「KEI'S CHOICE PREMIER III」が新たに注目されている。どちらも、ナチュラルは「ウイルソン・ナチュラル16」で、有機牧草で育てられた牛の腸から作られた高品質のものである。しかし両者が組み合わせに選んだポリは異なる。フェデラーはソフトフィーリングでナチュラルなスピン性能がある「アル・パワー・ラフ」を、錦織は柔らかくて弾きがよく、食いつきがいい「4Gソフト」を選んでいる。ちなみに、両者ともナチュラルをメインに張り、ポリをクロスに張っている。ナチュラルをメインにすると、何よりボールの飛び、パワーが出るため、コントロールの難易度が高くなるため、プロでも嫌がる人も多い。つまり、両者ともそれを扱える力量があるということだ(逆にナチュラルをクロスに張ると、スピンがかかり、打球に安定感が生まれる)。

両者といえば、フルセットの激闘となった先の全豪4回戦を思い出す人も多いはず。試合開始直後、錦織がラッシュをかけて4-0とリード。その後、フェデラーが巻き返したが第1セットはタイブレークの末に錦織が奪取した。続く第2、第3セットはフェデラー、第4セットは錦織がそれぞれ奪い、そして第5セット...フェデラーが錦織を退けた。観客たちは、質の高い試合を見せた両者をスタンディング・オベーションで称賛した。結果的に優勝したフェデラーだが、一つの壁となった錦織戦がなかったら、それは実現しなかったかもしれない。





そのフェデラーの真骨頂は「早いテンポでさまざまな打球を放って展開を支配すること」、そのために「スピン、スピード、タッチ、軌道など、あらゆる条件を駆使して、七色のショットを放つこと」にある。さらに言うと、特にフォアハンドのグリップは、薄目のセミウエスタン。その利点を生かして、幅広い打点も使っている。試合中"1球とて同じボールが来ない"とも言われるのは、そういった部分もあるのだろう。幅広い打点も使うからこそ、パワーがあるうえで、タッチがよく、ナチュラルなフィーリングを求める。そこで"PRO STAFF RF97 AUTOGRAPH"に「アル・パワー・ラフ」という選択をしたのではないだろうか。

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