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2020.11.04

選手情報

「まだピークに達していない」32歳のチリッチがこれからの活躍誓う

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11月2日、現在開催中の「ロレックス・パリ・マスターズ」(フランス・パリ/ATP1000)で、2014年のUSオープン覇者、マリン・チリッチ(クロアチア)が、将来有望株のフィリックス・オジェ・アリアシム(カナダ)をフルセットで下し2回戦に進出した。今年で32歳を迎え、キャリア後半に入ったチリッチだが、まだ若手とも戦え、“ピークに達していない”と考えているようだ。

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ビッグサーブとパワフルなストロークで2014年のUSオープンで錦織圭(日清食品)を破り初めてグランドスラムを制したチリッチは、2017年ウィンブルドンや2018年全豪オープンでも決勝に進出。自己最高ランキング3位を記録した。だが、近年では若手の台頭や自身のケガもあり、現在では同43位まで低迷している。

チリッチは、会見で「まだピークに達していないと感じている。ピークと言うのは、身体的や精神的、技術的にコート上で最高の状態で最高のテニスをしていると感じているということだ」とコメント。「そのピークにたどり着いて、『よし、よくやった』と思えるようになりたいんだ。ガッカリしているとは言わないが、自分のピークに達していないかもしれないし、達しているのに達していないと感じているのかもしれない」と自らの理想からは遠いとした。

そう考えているチリッチにとって、新型コロナウイルスの影響でツアーが中断されたことは、良い息抜きになったとも感じているようだ。
「明らかに誰にとっても簡単な状況ではなかった。でも、僕にとっては最高だったよ。ずっと家にいたんだ。初めて子供が生まれたしね。僕はこの15年間、ずっとツアーに出ていて、ノンストップだった。休みがあったとしても1、2週間後にはトレーニングが始まり、気を抜くことはできないんだ」と、常にツアーを最優先してきたとした。
特に子供が生まれたことはテニスにとっても好影響を与えているようで、「コート内外でとても幸せを感じているよ。コートの外でいい気分になれば、コートでもそうなれる。これでプレーに安定感が出てきたよ。負けていても家に帰れるのがうれしいんだ(笑) 勝てば、それはそれで最高だしね」と語った。

テニス人生の第2章に入ったといえるチリッチ。これからさらなる活躍でベテランの意地を見せることができるか楽しみだ。

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写真=山岡邦彦 Photos by Kunihiko Yamaoka