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2020.06.05

選手情報

NY便り「グランドスラム20勝へ、ナダルのタフな道のり」

6月4日、34歳の誕生日を迎えたナダルが、オンラインで記者会見を行い、ツアー再開などについて“現状ではメリットよりも問題点が多くある”と語った。

新型コロナウイルスによるパンデミックの影響について、「理想的ではないよ。今日、ニューヨークでテニスするかと聞かれたら、答えは“ノー”だ」と、ナダルはツアー再開に安全面の担保がないことを不安視。「ワクチンが必要だ」と、新型コロナウイルスの予防接種の重要性を強調し、来年には安全で通常の状況で再びテニスができることを望んだ。
また、「すべての国の選手が安全に移動できるような環境になってから、ツアーを再開する必要があると思う」と発言。国による不利が生まれる可能性もあるわけで、テニスというスポーツが公正であるべきだとも述べた。

6月初旬、例年であればナダルは全仏オープンの優勝カップ“マスケティアーズ・カップ”を掲げるため、赤土のコートで縦横無尽に駆けぬけていた時期だ。しかし、当の本人は決して悲観していない。「確かにテニスは恋しい。でも、今はそんなことを考えていない。(これまでツアーで失われていた)普段の生活を取り戻してからテニス選手としての生活を整えるよ」と語った。

もし、現在計画されているトーナメントが開催されることになれば、USオープンと全仏オープンが行われる1ヵ月半の間に、2つのタイトル(計4,000ポイント)を守る必要がある。それでも、「守るべきものは何もない。感覚としては、0からのスタートだ」と語っている。
会見終盤、「ツアーのスケジュールがどうなるか分からない。新しいニュースが毎日出てくる。何が起きて、何が起こらないか、どのトーナメントが開催されるかなんて予測したくもない」と締めたナダル。

もし秋にツアー再開となれば、過密スケジュールとなることは必至。選手にとっては、心身ともに大きな負担になる。ロジャー・フェデラーが持つグランドスラム最多優勝回数“20勝”へあと一勝となっているナダルにとって、試練の秋になるかもしれない。

文=知花泰三(全米プロテニス協会公認指導員資格保持者)

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