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2021.03.27

デイリートピックス

プロテニスプレーヤーの居住地に「モナコ」が多いのはなぜ!?

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モナコの税金は富裕層を引き寄せる!?

モナコに富裕層が集まる理由は、何と言ってもその税金システムにある。モナコは「タックス・ヘイブン」(『ヘイブン』は『天国』ではなく、『避難所』を意味する)と呼ばれ、居住者に個人所得税や相続税、贈与税などを課していない。

ちなみに日本での最高税率は55.95%(※)で、ドイツの調査会社である「スタティスタ」の調査によれば、スウェーデンの次に高い税率となっている。

※課税所得4,000万円超の45%(2037年まで復興特別所得税2.1%が乗算され45.95%)。これに住民税(均等割でおおむね所得税の10%)を加算

同じように「タックス・ヘイブン」と呼ばれるドバイ(アラブ首長国連邦)やスイスも居住地として人気がある。とはいえ、このような流れを問題視し、多くの国が自国民に対して正しく税金を徴収する仕組みづくりに取り組んでいる。

ヨーロッパであることも一つのメリット

前述のトップ10のうちモナコを居住地とする選手は、いずれもヨーロッパの国籍を持っている。そのため、タックス・ヘイブンのメリットを享受しながらも、自国からそれほど遠くない場所を居住地として選んでいる可能性がある。

とはいえ、世界中を飛び回りトーナメントに参加するプロテニスプレーヤーにとっては、居住地といえども実際に滞在できる日数は限られているだろう。

4月からは「モンテカルロ・マスターズ」が開催

「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」が4月11日より開催される。この大会はATPマスターズ1000大会でサーフェスはクレー。モナコを居住地としているジョコビッチ、メドベデフ、ズべレフ、チチパスも参加予定だ。モナコを居住地としている選手にとっては、拠点となる家や練習場があるなど、試合に取り組みやすい環境であると言えるだろう。

新型コロナウイルスにより2020年は開催中止となったが、2019年におけるシングルス優勝者への賞金は95万8055ユーロ、日本円にしておよそ1億2309万円だった。

富裕層が居住地を変更することへの意見はさまざまだが、現在のところトップ選手にとってのメリットは大きいと言えるだろう。

※為替レートは2021年3月23日現在

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