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2021.05.11

選手情報

フェデラー、ティエム、チチパス、シャポバロフ…少数派「片手バックハンド選手」の戦いに注目!

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片手バックハンドは
「絶滅品種ではないと願いたい」とフェデラー


来週、ATP250ジュネーブ・オープンで、ロジャー・フェデラー(スイス/世界ランク8位)はツアー復帰を果たすことになっている。3月、ATP250ドーハ大会でツアーに復帰したが、準々決勝でニコロズ・バシラシビリ(ジョージア)に敗戦。翌日 “トレーニングに戻るべきと判断した”と表明して以来のツアー復帰である。2019年全仏オープン以来となるクレーコートでのプレーはもちろん、トレーニングの成果はどうなのか、気になるところだ。

【リスト】トップ100の片手バックハンド・プレーヤーは12名!!


フェデラーといえば、特徴的なのは、片手バックハンドである。トップ10でいえば、昨年のUSオープン王者ドミニク・ティエム(オーストリア/同4位)、今年の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」の覇者ステファノス・チチパス(ギリシャ/同5位)が同じく片手バックのプレーヤー。さらにデニス・シャポバロフ(カナダ/同14位)、グリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同17位)、スタン・ワウリンカ(スイス/同25位)など、5月10日時点のランキングでトップ100には12名の片手バックハンドがいる。逆に言えば、約9割は両手バックハンドという状態だから、少数派ではある。

一般的に両手バックハンドは、リターンに優れていて、高い打点でも有利だと言われる。対する片手バックハンドは、スイング速度が高めやすいこと、バックハンド・スライスが打ちやすいといった特徴がある。その一方で、習得は難しいと言われている。

2019年、フェデラーは片手バックハンドについて、「両手バックハンドが進みやすい道だと思う。とはいえ、(片手バックハンドは)絶滅品種ではないと願いたい。見栄えもいいしね。デニス(シャポバロフ)やティエムみたいな若い選手から片手バックハンドが出てくるのは素晴らしいこと。ただ、数では負けている。残念ながら、ビヨン・ボルグはこのスポーツに大きな影響を与えたね」と語っている。ウィンブルドン5連覇をはじめ、11度のグランドスラム制覇を果たしているボルグが両手バックハンドへの流れを作ったというのがフェデラーの説明だ。もちろん、それ以降のトッププレーヤーやラファエル・ナダル(スペイン)らビッグ3の影響も大きいだろう。

そのほか、片手バックハンドの選手は、「最終的にはこれ(片手バックハンド)が正しい選択だったと思っている」(ティエム)、「ちょっとほかの選手とはスタイルが違うね。僕は片手バックが大好きだよ」(チチパス)、「これが僕の武器だと理解している」(シャポバロフ)、「本当にきれいに見えるし、いろいろなショットを打つことができる」(ワウリンカ)とどの選手も、自分の武器に誇りを持っているようだ。

多数派である両手バックハンドに対して、片手バックハンドの選手たちは、どんなプレーで対抗していくのか。試合を見るうえで、そんな視点を持つのもおもしろいかもしれない。

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Photo by Takeo Tanuma