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2021.06.11

選手情報

クレチコワがサッカリーとの3時間超の熱戦を制し決勝進出! グランドスラム初優勝に王手[全仏オープン]

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クレチコワが約3時間の激闘制し、決勝に進出

全仏オープン12日目、女子シングルス準決勝でノーシードのバルボラ・クレチコワ(チェコ/世界ランク33位) が、第17シードのマリア・サッカリー(ギリシャ/同18位) を7-5、4-6、9-7で破り、キャリア初となるグランドスラム決勝の舞台へコマを進めた。

【動画】クレチコワ、サッカリーの頭上を抜く絶妙なロブショット

前哨戦のWTA250ストラスブール大会で優勝したクレチコワは、その調子の良さを見せるように、3回戦で第5シードのエリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/同6位)を下すと、4回戦で元USオープンチャンピオンのスローン・スティーブンス(アメリカ/同59位)、準々決勝で第24シードのコリ・ガウフ(アメリカ/同25位)を下している。また、ダブルスのスペシャリストとして2度のグランドスラム優勝を果たしており、今大会でも準決勝に進出。単複で11試合を戦ってきた。

対するは、順当に勝ち上がったサッカリー。3回戦で第14シードのエリーゼ・メルテンス(ベルギー/同15位)をフルセットで下すと、4回戦で第4シードのソフィア・ケニン(アメリカ/同5位)、準々決勝で第8シードのイガ・シフィオンテク(ポーランド/同9位)と昨年のファイナリストである2人を破ってベスト4を決めている。

第1セット、サッカリーが序盤からコート深くに落ちるショットでリードしたものの、尻上がりに調子を上げてきたクレチコワが1-3から4ゲームを連取。それでも、この日のクレチコワのショットは不安定でミスも多く、サービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームでは、サッカリーにラブゲームでブレークされてしまう。このままタイブレークに突入するかと思われたが、第12ゲームでコートを広く使ったクレチコワがサッカリーのミスを引き出し、4度目のブレークに成功。第1セットを7-5で奪った。

しかし、第2セットでは、気迫を全面に出したサッカリーが、第1、第3ゲームでサービスブレークに成功。一気に4ゲームを連取すると、クレチコワの追い上げを振り切り、セットを奪取。試合をイーブンに戻した。クレチコワは、高い弾道のボールやスライスを使い、サッカリーのリズムを狂わせようとするが、決め球でアンフォーストエラーが出てしまった。

勝負のファイナルセット、先にブレークしたのはサッカリー。クレチコワが左右に揺さぶったものの、サッカリーがこれを粘り強く返球し、クレチコワのミスを引き出した。このリードを保ったサッカリーは、第10ゲームでサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。しかし、勝利を目前に硬さが出たか、ストロークにミスが続くと、クレチコワの変化を加えたストロークをネットにかけ、ブレークを許した。その後、互いに一歩も譲らず、スコアは2ゲーム差がつくまで行われる6-6となった。第14ゲームで3本のマッチポイントを逃したクレチコワは、第16ゲームのマッチポイントではサッカリーのショットが一度はアウトと判定され、ガッツポーズを作ったが、主審がこれを覆してポイントのやり直しに。それでも気持ちを切らさずブレークに成功し、グランドスラム決勝への切符を手に入れた。

勝利したクレチコワは、決勝で第31シードのアナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア/同32位)と対戦。両者、グランドスラムで初めてとなる決勝の舞台でどのようなプレーを見せるのか注目だ。

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma