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2021.07.05

ジュニア選手

ウィンブルドンJr.帯同コーチが語るグランドスラムJr.出場に必要なこと〔アジア通信〕

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現在開催中のウィンブルドンジュニアに出場している長谷川愛依(名古屋LTC)。その帯同をはじめ、これまで数多くのトップジュニアとともに海外遠征を行ってきた沢田昌昭氏に、長谷川選手の全仏オープンまでの道のりやグランドスラムジュニア出場するために必要なことを教えてもらった。

【画像】全仏オープンジュニア女子ダブルスでベスト8入りした長谷川愛依


全仏Jr.出場へ過酷な南米遠征を決意! ウィンブルドンJr.も予選を勝ち抜き本戦へ

昨年11月中旬、徐々にツアーが再開された始めた当時、多くのジュニアが目標とするグランドスラムの開催は不透明なままでした。しかし、海外のコーチたちに聞いたところ、シーズン最初のグランドスラムである全豪オープンの開催可否に関わらず、6月の全仏オープンと7月のウインブルドンは行われるだろうと聞いていました。また、全仏オープンジュニアが開催されるのであれば、予選は行われない可能性も十分あり得ました。つまり、欠場者も含めITFジュニアランキングで65位前後にいなければ、出場が難しくなります(ドロー数は64で主催者推薦が8人)。これを考えると、今年2月の南米ツアーからのスタートが必要だと考えました。
 
しかし、南米遠征はレベルも環境もとにかくタフ。正直、あまりいいイメージはありませんでしたが、グランドスラムジュニアに出場したいならば、「ここに行かない選択肢は無い」と考え、トライすることを決断しました。というのも、ITFジュニアのポイントシステムが改正されたことにより、グランドスラム、G(グレード)A、G1、G2の大会の獲得ポイントが増えて、上位選手と下位選手の開きが拡大。出場大会数を減らすと、ランキングがすぐに入れ替わってしまうのです。
※ITFジュニアのグレードは上から「グランドスラム(ユースオリンピック、ジュニアファイナルズ)」、「GA」、「G1」、「G2」、「G3」、「G4」、「G5」

これはプロと同じ構図だと言えるかもしれません。例えば、ITFツアーと、ATP、WTAツアーの間には大きな獲得ポイントのハードルがあり、ITFツアーでポイントを獲得しても、ATP、WTAポイントには追いつけない。つまり、グランドスラム出場圏内に入るには、ATP、WTAツアーを通過しなければ、チャンスが少なくなってしまうということです。

ジュニアのランキング制度も、この考え方に移行したのだと感じました。結果、この南米遠征4週間で、長谷川はG1大会で2度のベスト8とGA大会でベスト16と結果を残し、ランクを自己最高の49位までジャンプアップ。全仏オープン出場権を手に入れることができました。

全仏オープンの結果は、シングルス1回戦敗退となったものの、ダブルスでは昨年大会に続いて8強入り。
そして、今回のウィンブルドン予選。「憧れていたテニスの聖地で、勝ち負けよりも自分の納得のいくプレーを思いっきりしたい。ここに来ることを楽しみにしていました」と語っていたとおり、シングルス予選1回戦を6-3、6(5)-7、[10-3]で勝利。予選決勝では、名伯楽のパトリック・ムラトグルーや2度のグランドスラム優勝を果たしているメアリー・ピアース(フランス)さんのサポートを受けているアメリカ期待のジュニアに、3-6、6-3、[10-4]と逆転勝利を果たして、本戦入りすることができました。ポイントシステムの改正で厳しい道のりでしたが、今後につながる結果を残せたと思います。

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