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2021.08.15

スクール情報

強くなりたいジュニア必見！ 「ラファ・ナダル・アカデミー」と「ムラトグルー・テニス・アカデミー」の留学プログラムや学業プログラムを紹介

山根ゆずか

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「ムラトグルー・テニス・アカデミー」
施設とコーチ陣

テニスアカデミーとしてだけでなく、リゾートとしてその価値を高めている「ムラトグルー・テニス・アカデミー」は、フランスのカンヌとニースの間にあるビオットという南仏の町にある。テニスコートは34面で、学校やレストラン、ホテルなどが施設内にある。子どもに会いに来た親が使える4つ星ホテルや家族用のアパートもアカデミーの近くに用意されている。

パトリック・ムラトグルー氏の名を冠したアカデミーには、26人のコーチと8人のトレーナー、2人のメンタルコーチが在籍している。同アカデミーには一つのメソッドがあるわけではなく、選手個人に適したトレーニングをカスタマイズすることに重点を置いている。

「多くの子どもはチャンピオンになれない」
この言葉の裏にある意味

セリーナ・ウイリアムズ(アメリカ／同20位)やステファノス・チチパス(ギリシャ／同3位)のコーチとして有名なムラトグルー氏だが、彼はあるインタビューの中で「most of the kids are not going to be champions(ほとんどの子どもはチャンピオンになれない)」と語っている。だからこそ、ジュニアをプロに導く手助けをすると同時に、アメリカのトップ大学に入学させる踏み台になるためのシステムを構築した。この点においては、ラファ・ナダル・アカデミーと非常に近い考えを持っていると言えるだろう。将来プロになることを目指している子どもたちもしっかりと勉強し、プランBを持っておくことは安心してプロの道を志すために有利である。ムラトグルー・テニス・アカデミーでは、大学における奨学金取得のサポートを行っており、卒業生の90％が奨学金を得て大学に進学している。

オレンジボウルなどの国際的に有名な大会には、多くのスカウトマンが選手の将来性を見極めに訪れている。そのため、そうした大会で優秀な成績を収めることは、非常に重要である。2019年に開催されたスムリクバボウル(クロアチア／10歳以下の世界最高峰の大会)で優勝したロシアの選手は、優勝後すぐに同アカデミーにて練習を開始している。また日本のジョーンズ怜音も、オレンジボウルの12歳以下で優勝したのち同アカデミーに拠点を移した。

世界中から多くのジュニアが集まる
「テニスと学業」コース

同アカデミーには、世界中からジュニアが集まる「テニスと学業」コースが設けられている。このコースでは、トレーニングとトーナメント出場および学業をまとめて提供している。

コースの内容(ムラトグルー・テニス・アカデミーのホームページより)
・参加可能な学年：5年生から高校生まで
・期間：9月から6月
・2回のテニスセッションと1回のフィットネスセッション／日
・トーナメントの参加
・会議
・様々なアクティビティ
・健康診断や健康管理
・プライベートレッスン

費用については、上記のコース内容と1人部屋での滞在で63,320ユーロ、約820万円。3人部屋だと53,070ユーロで約690万円になる。このほか、エントランスフィー(1,550ユーロ、約20万円)がかかる。実際に現地で生活する場合は、ラケットやその他の備品なども必要となり、かなり高額になることが予想される。

ここまで紹介したラファ・ナダル・アカデミーやムラトグルー・テニス・アカデミーは規模が大きいアカデミーである。一方で、元ATPランカーが作った小規模なアカデミーもある。大きなアカデミーにおいては競争率も高く、目をかけてもらえる選手は限られている。そういった意味では、小規模なアカデミーにも利点は多い。気候がいい地域でありアカデミーが多いスペインのアリカンテも、ジュニアに人気がある留学先の一つである。

テニス選手のセカンドキャリアを意識するアカデミー

テニスでの成績は大学進学にもプラスとなるため、テニスでプロを目指すメリットは非常に大きい。一方で、テニスだけでは当然大学に入学することはできず、英語力およびその他の学力が必須となる。テニス選手を目指したがために学業がおろそかになりがちであるという点は否めず、大規模なアカデミーはそこに解決策を提供している。将来の可能性を広げるためにも、プロを目指すジュニアは早いうちから英語の学習を進めていきたい。

次ページ　>　【SNS】ラファ・ナダル・アカデミーってどんなところ!?

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