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2022.03.11

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ウクライナのコスチュクがテニス主要団体の措置を批判「私には賛成できない」[BNPパリバ・オープン]

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写真提供:ゲッティ イメージズ

「“戦争反対”だなんて中身がないコメントは、私を苦しめるだけだわ」

現地3月10日、「BNPパリバ・オープン」(アメリカ・インディアンウェルズ/WTA1000)女子シングルス1回戦が行われ、マルタ・コスチュク(ウクライナ/世界ランク54位)は、マリナ・ザフネスカ(ベルギー/同68位)に6(5)-7、7-6(6)、7-5で逆転勝利。その試合後、テニス主要団体の措置に対して、「私には賛成できない」と甘すぎると批判した。

【写真】コスチュクは試合後に写真を投稿

「正直、今の精神状態でコートに立つのはとても厳しいわ。自分に何を期待すべきなのか、わからなくて。今朝も“もうダメだ、勝てない”と思った。それでも、私の仕事はテニスをすること。この状況で私ができることなの」と自国の人々がロシア軍に殺されている中でプレーする苦しみを打ち明けたコスチュク。
実は、対戦相手のザフネスカもウクライナ・オデッサ出身とあって、試合後には長い抱擁を交わし、言葉を交わしている。その内容を「彼女の両親はウクライナにいるの。まだ安全な地域だけど、怖がっていると。それで『すべてうまくいくよ、私たちの両親は大丈夫だよ』と声をかけたの」と打ち明けたコスチュクは、国名や国旗の非掲示だけでプレーができるというテニス主要団体の措置について「私には賛成できない」と続けた。

「ほかのスポーツの措置を見て、彼らが取った措置はあれだけ。この件では、中立の立場でなんていることはできない。“戦争反対”だなんて中身がないコメントは、私を苦しめるだけだわ。ロシアの選手たちが現場にいるのを見ると、本当に胸が痛む。その選手たちがお金や物を送れないという唯一の問題を話しているのを見るのは、受け入れ難い」とコスチュク。

サッカーでは、FIFA(国際サッカー連盟)がロシア代表のワールドカップ予選へ出場停止を決定。北京パラリンピックでは、ロシア、ベラルーシ両国の選手を出場禁止にするなど、より厳しい措置を取っているスポーツもある。その中で、テニス界の措置に対して、甘いと指摘する声があるのも事実。侵略を受けているウクライナ人としては、より強い措置をと思うのも仕方のないことだろう。

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