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2022.04.10

選手情報

住澤大輔プロインタビュー「世界ランキング500番台、フューチャーズのシングルス優勝を目指す」[2022年注目の若手男子プロ選手特集(3)]

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「団体戦で勝つのは、個人戦よりも何倍もうれしい」

――高校卒業後プロに転向して5年ほど経ちますが、その中で印象的だったことを教えてください。
印象に残っていることは結構ありますが、一番は、今所属している橋本総業のチームの一員として日本リーグ(第34回)で優勝したことです。男子チームが設立して1年目から所属させていただいていますが、実業団チームとして東京都リーグから出場し、関東リーグ、全国リーグと勝ち上がっていって、4年目にしてようやく日本リーグで優勝できたことがとてもうれしかったです。僕は今までのテニス人生で、団体戦を経験してこなかったんですね。高校も通信制だったので、インターハイなどもありませんでした。そういう意味で、プロになってから団体戦を戦って、チームで勝利する喜びや日本一になったことが、自分の中ではとても印象に残っています。
団体戦では、試合に出場した際に緊張したりプレッシャーも感じますけど、勝って結果が出れば個人戦で優勝するよりも、さらに何倍もうれしいんだなと感じました。普段、団体戦をする機会は年に一度の日本リーグぐらいなので、他にも出場できる機会があったら出てみたいなと思います。



――橋本総業にも練習できる環境(吉田記念研修テニスセンター[TTC]・千葉)はありますよね。そちらでは練習していないのですか?
そうですね、普段の練習はしていなくて、チームでの練習会や日本リーグ前の合宿などが行われる時は、TTCで練習することもあります。ここMLTCで練習して、なおかつTTCでも練習できる機会があるので、環境は充実していますね。

――昨年(2021年)を振り返ると、どのような1年でしたか? 
一昨年(2020年)は新型コロナウイルスの影響もあって、あまり試合を回ることはできなかったんですけど、昨年はしっかりとスケジュールを立てて海外の試合に出場できました。年始はエジプトやトルコに、全日本選手権前にはヨーロッパにも行くことができ、その中でも海外のランキング上位選手と戦えて、勝つこともできました。MLTCで取り組んできた練習は間違っていなかったんだなと思うとともに、自分のプレースタイルを貫いてやっていける、ということをとても実感できた1年でした。それでも、まだまだ連続して勝っていくのは難しく……予選から勝ち上がって本戦でも勝ち進んでいくことの難しさを痛感した1年でもありましたね。

――連続して勝つためにどのように取り組んでいこうと思いますか?
試合は毎日、毎週と続いていくので、単に練習するだけでなく、少し試合を意識したポイント練習を増やして、練習時でも“試合が毎日ある”ということを意識するようにしています。日によって調子は変わると思いますが、練習だからといって、“今日は調子が悪い。あーダメだ”とか、または“今日は調子がいいな、どんどんいこう”というふうに調子の波があると、それが試合にも出てしまうと思うんです。そうした波を練習で減らすことで、試合で調子が悪くても“練習の時に、これぐらいでもこんなプレーができたな”と、下がることなくキープしていけると考えています。大会は1週間続くので、調子を維持していくのがとても重要です。試合を想定して練習することが大事だと思っています。



――2022年はどのように活動する予定ですか?
今年は短い期間で、海外のクラブなどを拠点にやってみたいなと考えています。例えば、アメリカやヨーロッパのクラブに行って、練習しながら試合に出場する。また、そこへ戻って練習して試合に出る、という形を予定しています。新型コロナウイルスの影響で日本に帰国すれば隔離期間が設けられる場合もあり、その期間がもったいないので、今年は海外にいてツアーを回ってみたいと考えています。

「オリンピックで国の代表として戦ってみたい」

――今年の目標を教えてください。
第一優先は、世界ランキングを上げることです。今はまだ1000番台なので、500番台ぐらいにまで上げたい。今年の後半ぐらいまでには、フューチャーズをしっかり勝ち上がって、チャレンジャーにも挑戦していけるぐらいのランキングまで上がりたいと思っています。そして、去年はフューチャーズのダブルス(M15カイロ大会/7月26日〜8月1日/エジプト・カイロ/クレーコート/賞金総額1万5千ドル/ペア:齋藤惠佑)で優勝できたので、今年はシングルスでも優勝を狙います。

――将来の夢はありますか?
グランドスラムで勝ち上がられるような選手になりたいです。あとは、オリンピックに出場したいという気持ちがあります。昨年の東京オリンピックを見て、日本を背負ってプレーをしたい、ということをすごく感じました。テニスを含めて、普段のニュースではあまり報道されない競技でも、オリンピック期間中はたくさん報道されていて、いろいろな人に見られる機会が増えて感動を与えられるんだなと思いました。もちろんグランドスラムで勝てば報道されますが、オリンピックで日本を背負って勝つことは、また違ったものがあるのかなと。テニスだけではなく、新種目のスケートボードや野球などさまざまなスポーツを見て、やはり多くの人たちに感動を与えられるし、そのスポーツをさらに盛り上げることもできるのではないかなと感じました。スケートボードは競技人口も増えているという報道もあるので、テニスももっともっと盛り上げていきたいなと感じています。




〈武正コーチから見た住澤大輔〉
大輔は、厳しい練習や激しいトレーニングに対して先陣を切ってチャレンジしていくタイプです。性格的に挑戦するタイプで、明るくてみんなを盛り上げていく、という感じですね。体については柔軟性が非常に高く、日々の努力の賜物だと思っています。テニスでの大輔のよさは、サーブからのネットプレーで、とても器用な選手です。試合では自分のプレースタイルをしっかり出していけるように、もっと自信を持てるといいと思います。いいものを持っているので、あとは本当に自信だけですね。



MLTCで充実した練習ができていると笑顔を見せていた住澤。実際に、2月上旬に行われたJOP大会(キープスマイリングツアー)では単複で優勝し、結果を残している。ボレーやスライスなどタッチ系ショットも器用にこなす住澤の今後の活躍に注目だ。



【プロフィール】Daisuke Sumizawa(すみざわ・だいすけ) ■プロテニスプレーヤー ■所属:橋本総業ホールディングス ■1999年1月31日生まれ(23歳)、神奈川県横浜市出身 ■身長175cm、体重67kg ■右利き(両手打ちバックハンド) ■プロ転向:2017年 ■ATP世界ランキング1093位(2022年4月4日付)、JTAランキング47位(2022年4月5日付)


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写真=テニスクラシック

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