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2022.06.10

ギア情報

攻撃的スピンのためのテニスラケット、「バボラ アエロ列伝」[前編]

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ボラが生んだスピンラケットの結晶
それが「ピュアアエロ」シリーズ


1875年テニス発祥と共に創業したバボラ社。創業当時から、「プレーヤーの助けになることは何か?」と考えながらも、このように語っている。「何よりも重要なことはプレーヤーのニーズを探ること。我々は常にプレーヤーの声を聞くことを大事にしている。革新につながるカギは、コートの中、ショップの中、すベてのプレーヤーにある。そこから我々は学ぶことができるのだ」と。

【関連記事】バボラ「ピュアアエロ」、時代を変えた攻撃的スピンラケット[アエロ列伝 後編]


バボラといえばストリングの専門メーカー、1世紀超をかけてその確固たる地位を築き上げ、ラケット、シューズと独自のテニスギアを作ってきた同社の根底には“プレーヤーの助けになることをやろう”という思いがある。



「将来、強烈なスピンが世界を制する」と予言したバボラ社、先見の明が「アエロ」を創り出す


「将来、強烈なスピンが世界を制する」と
予言したバボラ社、ツアーの変化から得たものを具現化


それらバボラが作り上げてきた結晶の中でも、重要なギアとなるのが「ピュアアエロ・シリーズ」である。同シリーズといえば、まず思い起こすのはラファエル・ナダル(スペイン)だろう。全仏オープンを14度制覇し、グランドスラムで単独1位となる22度優勝と生ける伝説となっている“ラファ”は、アエロシリーズの前身となるモデルから使用を続けている。

今や「ピュアドライブ」と同じくバボラの代名詞となっている「ピュアアエロ」、その伝説のスタートは、2003年まで遡る。当時は、14度のGS優勝を誇るピート・サンプラス(アメリカ)のキャリア最終年にして、ロジャー・フェデラー(スイス)らがスターダムに駆けあがろうというタイミング。アンドレ・アガシ(アメリカ)が、ライジングショットを打ってはいたものの、ストロークの主流は“フラットドライブ”だった。しかし、そんな中で、次世代の波をキャッチしていたのがバボラである。“もっと速いテンポで攻撃的なスピンを打つ時代がやって来るはず”、次代のプレーヤーのためにまず作ったのが、2003年の「アエロツアー(AERO TOUR)」である。



ブーメラン型のフレーム「アエロビーム形状」の開発、これがすべてを生むきっかけとなった


当時、空気抵抗に注目していたメーカーは皆無。そんな中、空気抵抗が15%減するブーメラン型のフレーム「アエロビーム形状」を開発して、同ラケットを開発する。プロでは元世界ランク2位のアレックス・コレチャ(スペイン)などが使用した画期的ラケットではあったが、時代を先取りしすぎたのかもしれない。非常に剛性の高いラケットであったため、プロにしか打てないものとして、一般ユーザーには受け入れられるものではなかったのだ。ある意味、失敗してしまったと言ってもいいチャレンジングなラケットだったが、非常に大きなメリットを学ぶことができた。
「シャフトをいじることで、これだけ空気抵抗を減らすことができる、という実績を作ることができたのです」とバボラ・ジャパンの大塚正人氏は振り返っている。






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