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2022.06.10

ギア情報

攻撃的スピンのためのテニスラケット、「バボラ アエロ列伝」[前編]

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原型に技術を掛け合わせて完成度を高める
2004年モデルには「ウーファー」を搭載


大きな一歩となった「アエロツアー」を作ったことで蓄積したノウハウを活かして、2005年に発売に至ったのが「アエロプロドライブ」である。空気抵抗の少ないフレームの欠点であるホールド性の低さを、「ウーファー・グロメット・システム(打球時にストリングが連動して動くシステム。ボールとストリングの接地時間が長くなる)」を搭載することで大きな強みに変化させる。名前こそ違うが、このラケットは現行「ピュアアエロ」の原型と言うべきモデルである。



ウーファー・グロメット・システム採用で「アエロプロドライブ」は強力な武器となる


そのポテンシャルの高さがわかったからだろう。2003年にプロ入りした際は、「ピュアドライブ」を使用していたナダルだが、翌年の2004年からは「アエロプロドライブ」に乗り換えている。
先行で使用していたプロたちからのプッシュを得て2005年に販売。そして同年の全仏オープンで、アエロシリーズとして、バボラとして非常に大きな出来事が起こる。初出場のナダルとマリアノ・プエルタ(アルゼンチン/当時37位)と「アエロプロドライブ」を使用する両者による決勝が実現したのだ。結果はご存じの方も多いだろう。セットカウント3-1でナダルが初出場初優勝という快挙を達成するのだ。スピードとスピンを兼ね備えたボールを打つナダルの優勝、それはバボラの先見の明が実証された瞬間でもあった。






2007年発売の「アエロプロドライブ」で
“コアテックス”を初採用し、より高いレベルのラケットに

2007年に大きく進化させた「アエロプロドライブ(2007)」を発売する。特筆すべきは「V型のコアテックス」を搭載したことだ。それを2009年発売「アエロプロドライブ(2009)」でアップデート。




「コアテックス」テクノロジーが、アエロの完成度をより高めた


打球時に発生する振動には、人間が心地よく感じるものと不快に感じるもの、双方が存在する。「コアテックス」テクノロジーは、その不快に感じる振動・周波数を取り去るというシステム。2005年発売モデルでは「ウーファー・グロメット・システム」を採用。ボールとストリイングの接地時間を長くすることで、飛躍的に使いやすいものに変化させたが、唯一残念だったのが、フレームの剛性が強すぎるあまり、「硬い」という印象を覚えてしまうこと。それを「コアテックス」テクノロジーを加えることで、より高いレベルのラケットに進化させたわけだ。これにより、「アエロツアー」では、難しすぎて無理だった一般プレーヤーでも、そのメリットを感じることができるものへと変化。“アエロの良さ”を知らしめたモデルと言えるだろう。評判は、瞬く間にプレーヤーの間に駆け巡る。大塚氏は、ある大型店舗で「わずか半日で40本のラケットが売れるというすごい人気となりました。アエロプロドライブを購入するために、順番待ちという事態になっていたのです(笑)」と当時の衝撃的な売れ方が印象的だったと語っている。





このアエロシリーズには、もう一つバボラにとって大事な物語がある。それはディナラ・サフィーナ(ロシア)が、2009年4月に世界ランク1位となり、ナダルと共に男女1位となったこと。彼女が使用していたラケットは「アエロプロドライブ」と同じテクノロジーを採用した「アエロストーム」。2003年、“将来、強烈なスピンが世界を制する”と作った新シリーズは、一つ結実の時を迎えたのだ。

<バボラ「アエロ伝説」後編に続く>

取材協力:バボラVSジャパン

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