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2020.09.11

メーカーズボイス

ピュアドライブ2021発売へ 革新のバボラは常に歩み続けてきたーーラケット/シューズ編【後編】

2020年9月、待望のニューモデル「ピュアドライブ2021」*がついに発売となる。毎回、絶大な人気を誇るモンスターラケットの最新作に興味を抱いている人は少なくないだろう。その発売元が「バボラ」であることは、ご存知のはず。だが、どんな歴史を持っているかまで知っているという方はいるだろうか!? なんと「バボラ」とテニスの歴史は、18世紀にまで遡るものなのだ。短期連載「バボラのすべて」、今回は「知られざるバボラの歴史」後編をお届けする。

*7機種は2021年1月発売予定


1994年、ピーエル・バボラが

<歴史的決断>を下す

バボラの歴史が始まったのは1875年まで遡る。世界で初めてテニスラケットを作ったイギリス人、ジョージ・バッシー氏から、ラケットに張るための「ストリング」を依頼されたところからスタートしたのだ。以来145年、バボラは全てのプレーヤーのために、革新的なテクノロジーを提供してきている。だからこそ「テニスは我々の血液だ」と自負するわけだ。そして根底にあるのは、創業当時から変わらない。“常にプレーヤーに最良のものをもたらすために”という姿勢である。


4代目チェアマンのピエール・バボラ氏がラケット参入を決断した

だからこそ、この決断を下したのは納得ができる。1994年、4代目チェアマンであるピエール・バボラは決意を決めた。

<今こそ、最大のチャレンジをすべき時だ。ラケット界に参入する>


最初のラインナップは、「ピュアパワー」「ピュアドライブ」「ピュアコントロール」という3シリーズ。フェイス部下部にある“2本線”は、その初代モデルからデザインされている。
ずっとプレーヤーのためにストリングを作ってきたバボラ。だからこそ、ストリングのパフォーマンスを引き出すためには、どんなフレームであるべきか?という視点を持っていた。従来のラケットブランドとは逆の発想と言ってもいいだろう。通常、新規参入するブランドは、プレーヤーからの信頼がないため、苦戦するものだが、バボラは違った。ストリングでの絶大なる信頼があったからこそ、そのラケット自体も瞬く間に、受け入れられることになる。



1994年に誕生したバボラのラケット。左から2本ずつ「ピュアパワー」「ピュアドライブ」「ピュアコントロール」の順

父ピエールの意思を継いだエリック・バボラ(5代目CEO)は、「父が決めたラケット界への参入。ストリング・カンパニーとしての知識を費やすことで、素晴らしいラケットを作れるであろうことはわかっていた。我々は、重要なストリングとの相性、ストリンギングマシーンとの相性も考慮に入れて、コンビネーションをベストに持っていくことを考えて作っている。フレームとストリング、双方が50%の力を発揮できて100となることがベストなんだ」と語る。



5代目CEOのエリック・バボラ氏(写真左)。アンディ・ロディック(アメリカ ※写真右)との一枚


まずは隣国から販売を開始
そして99年、日本に上陸を果たす

バボラの念願だったラケット製作。
1994年に自国フランス市場に投入すると、まず母国で大成功を収めた。そして翌95年にはスペインで販売開始、続く96年にイタリアに、97年オーストリアに、98年にドイツと次々と販売国を広げていく。そして、1999年、ついに日本上陸を果たす。当時、大きな話題となったことを覚えている人も多いだろう。

日本で発売となったのも、「ピュアパワー」「ピュアドライブ」「ピュアコントロール」の3シリーズ、8アイテムだった。ブラックのベースに、ドライブは青、コントロールは赤、ソフトは金・銀を使用。統一感あるコスメも非常に印象的なものだった。



プレーヤーを虜にしたウーファーシステム。テクノロジーのバボラを象徴するものだ

これらのシリーズには、非常に画期的なテクノロジーが搭載されていて、瞬く間に日本のプレーヤーを虜にする。そのテクノロジーとは「ウーファー(WOOFER)」システムである。同システムは、ラケットフレームとストリングを連動させるというもの。グロメット部を膨らますように丸く処理し、「ピストン機能」、そして「滑車機能」を発揮することで、パワーアップ、スイートエリアの拡大、コントロール性アップ、衝撃減少を発揮する。ご存知の通り、このテクノロジーはバボラを象徴するものとなっている。




日本にバボラが上陸した前年、バボラにとって歴史的快挙が起こっている。カルロス・モヤ(スペイン、現在同胞のラファエル・ナダルのコーチを務めている)が、バボラのお膝元である全仏オープンで優勝したのだ。モヤは「ピュアドライブ」を使用、ストリングもバボラのものを使っているため、史上初めて同一メーカーのラケットとストリングが優勝を果たしたのだ。未上陸だった日本のテニスファンにとって、モヤが使用している見たことがないラケットは何だ!? と話題になったことは言うまでもない。この優勝は我々一般プレーヤーにとっても重要な出来事だったが、プロプレーヤーにとっても大きな出来事だった。当時、“プロには中厚ラケットは適さない”というウワサがあったのだが、モヤの優勝はそれを一掃。そういったことが、日本での7年連続ベストセラー(2010年~2016年、矢野経済研究所)という伝説につながるわけだ。



バボラを世界に知らしめる上でモヤの1998年全仏優勝はなくてはならない出来事である



ちなみに、「ピュアドライブ」はアメリカで、2005年31ヵ月連続ベストセラー(スポーツマーケティングサーベイ)という記録も作っている。


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