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2020.09.11

メーカーズボイス

革新のテニスブランド「バボラ(BabolaT)」の歴史を徹底解説、ラケット/シューズ編【後編】

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2004年、ナダルのために作られた
初のアエロダイナミクス構造のラケットが完成


そして2004年もバボラにとって重要な年である。初のアエロダイナミクス構造のラケット「アエロプロドライブ」を開発(後のピュアアエロシリーズ)。空気の流れを改善することで、重いスピンを打ちやすくしたラファエル・ナダルのために作られたモデルで、このラケットでナダルは2005年全仏オープンでグランドスラム初優勝を果たす。現在までにナダルは同シリーズを使って18ものグランドスラムを奪取するのだから、同シリーズのクリエイトは大成功と言える。




圧倒的パワーの「ピュアドライブ」、スイング速度、スピン性能の「ピュアアエロ」ときたら、もう一つはあれ。「ピュアストライク」シリーズである。2014年に第1世代誕生と3シリーズの中では、最も歴史が浅い同シリーズ。それは“正確さ”“コントロール”を求めるプレーヤーのために作られたもの。こちらもプレーヤーからのフィードバックを元にアイディアが出されたものである。


ラケットに続いてシューズも
トータルでテニスをサポートする


2003年のシューズ参入でトータルギアブラドに。ロディック(写真左上)の着用で一気に認知が広がった。またナダルが優勝した2005年全仏では、プエルタ(写真右上)がオールバボラでプレーし、準優勝になったことが話題となった

ラケット参入から9年、2003年にバボラが決断したのは「テニスシューズ」への参入だ。テニスのことを熟知するバボラだが、シューズ作りへの知識は乏しいもの。そこで、同じく業界のリーダーであるミシュランとタッグを組む。テニスのプレーは80%が横方向の動き、斜め方向への動きであるというリサーチを元に、バボラがアッパーを担当、ミシュランが特許技術を生かして費やしてソールを作成してシューズを製作する。こちらのシューズも、アンディ・ロディックに気に入られるなど、すぐにプロ選手に受け入れられることになる。
さて、2005年の全仏オープンでは史上初の出来事が起きている。ナダルが優勝する大会だが、その決勝の相手、マリアノ・プエルタ(アルゼンチン)は、ラケット、ウエア、シューズ、オールバボラでプレーし、準優勝になったのだ。


145年を経ても変わらないもの
それは「プレーヤーの声」を重要視すること

それも含めて、思えば、21世紀はバボラにとって特筆すべきものが多い時となっている。2003年8月には、ロディックがATPランキング1位に、キム・クリスターズもWTAランキング1位となり、男女No.1プレーヤーを抱えることになった(ラケット参入から10年経たずに達成していることは特筆すべきことだろう)。ナダルはグランドスラム優勝回数歴代2位となる19度の優勝、全仏オープンでは最多となる5連覇、12度の優勝、北京オリンピックで金メダルを取ってゴールデンスラムの達成。バボラのギアを使って優勝した選手を挙げていくことは困難というほど数が多い。そういった成功の裏には、秘密がある。
バボラのプレーヤー担当、アレックス・イスラエルは「何よりも重要なことはプレーヤーのニーズを探ること。我々は常にプレーヤーの声を聞くことを大事にしている。革新につながるカギは、コートの中、ショップの中、すベてのプレーヤーにある。そこから我々は学ぶことができるのだ」と語る。これは、創業者である初代ピエール・バボラ氏が抱いていた“プレーヤーの助けになることは何か?”という思いと通ずづるものである。




ここでいうプレーヤーは、トップの選手ばかりではない。テニスをプレーするすべての人々を指す言葉である。“プレーヤーの助けになることは何か?”――これからもバボラは、革新をテニスにもたらし、テニスの未来を気づいていくのだろう。そして、それを享受できるという喜びを噛みしめなければならない。

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