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2022.06.25

メーカーズボイス

バボラ「ピュアアエロ」、時代を変えた攻撃的スピンラケット[アエロ列伝 後編]

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「将来、強烈なスピンが世界を制する」
バボラの予見が“攻撃的スピンラケット”
という新領域を創り出す

“もっと速いテンポで攻撃的なスピンを打つ時代がやって来るはず”。
21世紀を迎えたばかりのころ、そんな次世代の波をキャッチしていたバボラ社は、空気抵抗が15%減するブーメラン型フレーム「アエロビーム形状」を開発。そのテクノロジーを活かして2003年に「アエロツアー(AERO TOUR)」をリリースした。

【関連記事】攻撃的スピンのためのテニスラケット、「バボラ アエロ列伝」[前編]

歴史的1本であったことは異論がないところだが、スイング速度が格段にアップする一方で硬すぎるという課題も生まれた。いかに“スイング速度の高速化”をキープしたまま、より使いやすいラケットに変化させるか。バボラは、2004年モデルで「ウーファー・グロメット・システム(打球時にストリングが連動して動くシステム)を搭載することでホールド性を高め、2007年モデルで人間が不快に感じる振動・周波数を取り去るという「コアテックス」テクノロジーを採用。「アエロツアー」では、難しすぎて無理だったラケットを、「アエロプロドライブ(2010)」では一般プレーヤーでも、そのメリットを活用できるものに進化させた。同モデルは “アエロの良さ”を知らしめたラケットとなり、爆発的売上を記録するものとなる。





その2009年シーズンまでで、全仏オープンで4度の優勝、ウィンブルドン、全豪オープンと6度のグランドスラムを制していたナダルは、2010年、「アエロプロドライブ2010」を使って全仏オープン、ウィンブルドン、USオープンと3つのグランドスラムを制覇。またUSオープンの優勝で、プロ入りから8年というスピードでキャリア・グランドスラム(4大大会制覇)を達成する。



アエロプロドライブを使い、ナダルは2010年のUSオープンを制覇。キャリアグランドスラムを達成した


さらに完成度を高めた
「アエロプロドライブ(2013)」
トリコとなる人が続出

2011年大会から全仏オープン5連覇を達成したナダルに、バボラが用意したのが「アエロプロドライブ(2013)」だ。
注目すべきは「コアテックス・アクティブテクノロジー」の採用。いわゆる“凸型コアテックス”である。2007年、2010年モデルで、評価の高かった“コアテックス・テクノロジー”だが、同年のモデルでは振動吸収パーツの面積を拡大。必要な情報(衝撃)は残したまま、不快な衝撃をとことん削除することを試みたわけだ。






爆発的売上を記録した2010年モデルに続いて、2013年モデルもプレーヤーをとりこにした。キャリアハイ世界ランク22位、アドリアーノ・マナリノ(フランス)もその内の一人。2017年、楽天ジャパンオープンで準優勝となった彼だが、決勝の2日前には、こんなツイートを投稿している。



「アエロプロドライブ(2013)のグリップ3か4の在庫、どこかのショップに在庫はありませんか?」。当時はすでに2016年モデル(ピュアアエロ)が発売となっていた時期だが、マナリノはこの2013年モデルに惚れ込んでいた。“今の内に在庫を確保しておきたい”、そんな思いからツイッターに投稿したようだ。



当時アエロプロドライブ(2013)を愛用、楽天ジャパンオープン2017で準優勝となったマナリノ


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