ナダルが苦しみながら初戦を突破
6月28日、ウィンブルドン男子シングルス1回戦、3年ぶり出場の第2シード、ラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク4位)は、フランシスコ・セルンドロ(アルゼンチン/同41位)と対戦。第3セットからは特に苦しい展開となったが、最後はプレーレベルを上げて6-4、6-3、3-6、6-4で勝利。試合後、ナダルは「とてもタフで強い選手だった。特に難しい初戦に勝ててうれしい」と勝利を喜んだ。
【動画】緊迫のラリーから見せたナダルの絶妙なドロップショット&マッチハイライト
全豪オープンに続き、全仏オープンを制したナダルは、その優勝会見で痛みのある左足に注射を打ち、足の感覚を麻痺させた状態で試合に臨んでいたと告白。大会後には、高周波で神経の痛みを収める治療を行っていたが、前日会見では「僕がここにいるのは、状態が良くなっているから。うまく進んでいることに満足しているよ」とプレーできる状態にあると語っている。
第1セット、まずは両者共にキープに成功する。臆することなく攻めていくセルンドロだったが、第4ゲームでナダルは、セルンドロのフォアハンドにボールを集めてミスを引き出してブレークに成功。3-1としたが、直後にナダルはブレークバックを許してしまう。
同じコースに数本打ってから、より角度をつけたショットでポイントを奪おうとするナダルに対して、オープンコートに打って相手を走らせてドロップショットも狙うセルンドロ。第9ゲームでセルンドロは15-40とチャンスを握ったものの、あと1本が奪えず。すると5-4で迎えた直後のゲーム、今度はナダルにチャンスが訪れる。1本凌がれたものの、ラリーからバックハンドを鋭角に打ち込んでポイントを奪ってブレーク。アンフォーストエラーはセルンドロより5本多い14本と、不安定な内容だったが、ナダルが6-4でセットを先取した。
第2セットに入ると互いにショットが良くなる。またも先にピンチを迎えたナダルだったが、そこを凌ぐと第6ゲームでブレークに成功。セットを連取する。続く第3セットは1ブレークずつ奪って進んでいく。先にブレークしたのはセルンドロ。第8ゲームを奪い、5-3で迎えたサービング・フォー・ザ・セット、40-15からブレークポイントを迎えたものの、サービスキープしてナダルからセットを奪取する。
これで勢いに乗ったセルンドロ。第4セットでも先にブレークに成功する。一方、苦しみながらキープを続けるナダル。劣勢に見えたが、第8ゲームで好調だったセルンドロにミスが出て、ラブゲームでブレークバックに成功。4-4とすると、ナダルがプレーレベルを一気に上げて、第9ゲームはラブゲームでキープ。5-4としてセルンドロにプレッシャーをかける。
第10ゲーム、リターンから強打していくナダルは、30-40とマッチポイントとなるブレークチャンスを迎える。ここでセルンドロが狙ったバックハンドのダウン・ザ・ラインがサイドアウトとなり、6-4。セルンドロの思い切りの良いショットに苦しみながらも、苦しみながらナダルが勝ち切った。
オンコート・インタビューでナダルは、「この場所に戻ってこられて良かったよ。彼はとてもタフで強い選手だった。過去3シーズン、芝ではプレーしてなかったから、今は毎日が試練になっている。特に難しい初戦に勝ててうれしい。全仏オープンの決勝後、すぐに練習を開始したけど、体がなかなか言うことを聞いてくれなかった。足の治療もあったしね。戻ってこられてよかったよ」と再びウィンブルドンでプレーできた喜びを語っている。
ナダルは続く2回戦、リカルダス・ベランキス(リトアニア/同106位)と対戦することが決まっている。
■ウィンブルドン2022 [THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4035万ポンド(66億6160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK
【特集】ウィンブルドン2022の記事はこちら
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。
いますぐ登録
会員の方はこちら