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2022.07.06

選手情報

ジョコビッチ、大逆転のきっかけについて説明「ウソだと思ってもいいから言葉をかける。それは本当に効果的なんだ」[ウィンブルドン]

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ジョコビッチが逆転のきっかけについて語る

現地7月5日、ウィンブルドン男子シングルス準々決勝、大会3連覇中の第1シード、ノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク3位)は、第10シードのヤニック・シナー(イタリア/同13位)に2セットダウンから大逆転勝利。試合後の記者会見では、第2セット終了時にトイレットブレークで自分にかけたという言葉について「ウソだと思ってもいいから、肯定的な言葉を自分に言い聞かせる。自分を再生させようと言葉をかける。それは本当に効果的なんだ」と説明した。

【動画】ジョコビッチ記者会見動画&ノリーと対戦時のハイライト動画

会見の冒頭、まず「最初の2セットはそうではなかったけど、エキサイティングな試合だったよ。後半3セットは、新しい試合だった。第3セットの頭からとても堅実で質の高いテニスができた。3セット目、先にブレークできたことで、リズムとショットのテンポを再発見できたと思う」と試合をについて語ったジョコビッチ。

オンコート・インタビューでジョコビッチは「きっかけは(第2セット終了時に取った)トイレットブレークなんだ。鏡に映る自分に対して言葉を発して、苦しい状況からポジティブに戦うように考え直し、自分を信じることができた」と語っている。実際、どんな言葉を自身にかけたのか?

「自分への叱咤激励、ポジティブな話をしただけだよ。ネガティブで落ち込んでいる時に、ウソだと思ってもいいから、肯定的な言葉を自分に言い聞かせる。自分を再生させようと言葉をかける。それは本当に効果的なんだ。(昨年の)全仏オープン決勝で、(ステファノス・)チチパスに2セットダウンとなった時も、その方法を取った。今日もうまくいったけど、必ずという保証はない。ただ、何かを変えなければいけないと感じていたんだ。僕はいいプレーができていなくて、シナーに支配されていた。それでもグランドスラムは5セットだから、復帰のチャンスがあったわけだ」と回答している。

第1セット、ジョコビッチのスタートは素晴らしいものだった。先にブレークして4-1とリードしたところから、調子を崩してセットを奪われた。その状況について「風と戦っていて、ひどいプレーをしてしまい、勢いは彼に移った。その中で、私は自分のショットに疑いを持つようになってしまったんだ。逆に彼は自分を信じるようになり、私は受け身になってしまった。このレベル、特に芝では、あっという間に試合が進んでいく。第1セット終盤から第2セットは、まったくサーブがうまくいかず。コースを読まれて攻められて防戦一方だった」と説明している。

ただ、その中でも「必ずカムバックできると信じていた。経験上、こういう状況でも勝つことができるんだとね。第3セットは最初が肝心だと思っていたんだ。早めにブレークしたいと思っていて、それを実現することができた」と苦しい中でも最終的には勝つことも可能だと信じていたと語っている。

実はジョコビッチは、グランドスラムの5セットで最多勝利記録を持っていて、今日の1勝を加えて35勝9敗となっている。この実績が彼に与えた自信というのは少なくなかったようだ。
「第5セットの成績が良いほど、次の第5セットも良い気分でプレーできる。特に、シナーのような若手は、5セットの経験は多くない。特に彼は今回がグランドスラムで初の準々決勝で、ウィンブルドンのセンターコートの経験も多くない。若手の場合は、失うものがないから、先を考えずにプレーできることもあるけど、シナーの場合はセットカウント2-0からだから、失うものが大きいと感じるとわかっていた」とジョコビッチは、自身の強みとシナーの心理面まで考えてプレーしていたと語っている。

大会4連覇、7度目の優勝まであと2試合、準決勝では地元イギリスの第9シード、キャメロン・ノリー(同12位)と対戦する。過去の対戦は1度だけ。昨年のNitto ATPファイナルズのラウンドロビンで対戦し、その際は6-2、6-1で快勝している。

「母国の選手がウィンブルドンのセンターコートでプレーする。観客の声援など何が起こるかはわかっている。(若手である)彼も失うものはあまりないだろうね。何度か練習したことがあるから、彼のことはよく分かっている。しっかり宿題をやって試合に臨むよ」と語ったジョコビッチ。次戦も大注目の一戦となる。



■ウィンブルドン2022
[THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4,035万ポンド(66億6,160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3,030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK

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