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2022.07.07

選手情報

ナダルが4時間21分の熱戦の末に4強! 腹筋痛を押してプレーし、フリッツとの激闘を制す「試合中、最後までプレーできないんじゃないかと思った」 [ウィンブルドン]

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腹筋痛を押して最後までプレーしたナダルが勝利を掴む

7月6日、ウィンブルドン男子シングルス準々決勝、第2シードのラファエル・ナダル(スペイン/世界ランク4位)は、第11シードのテイラー・フリッツ(アメリカ/同14位)と対戦。腹筋を痛めながらプレーしたナダルは、3-6、7-5、3-6、7-5、7-6[10-4]とフルセットの末に勝利。3年ぶり8度目の準決勝進出を決めた。オンコートインタビューでは、腹筋の状態について「正直なところ、よくはない」「試合中、最後までプレーできないんじゃないかと思った」と語った。

【動画】”大逆転勝利!!”ナダル対フリッツ準々決勝マッチハイライト

3年ぶり出場のナダルは、1、2回戦で1セット落としたものの、3、4回戦はストレート勝利で8強入り。対するフリッツは、今大会すべてストレート勝利と好調だ。両者は、今年3月のATPマスターズ1000「インディアンウェルズ大会」の決勝で対戦。当時、開幕から21連勝中のナダル(準決勝で肋骨を負傷し大会後に疲労骨折と判明)だったが、攻撃的なプレーを展開したフリッツが勝利している。

試合はフリッツのサーブからスタート。ナダルは、軌道の高いボールを使ってミスを引き出すと、いきなりブレークに成功する。出ばなをくじかれたフリッツは、第3ゲームをキープするとプレーがレベルアップ。第6、第8ゲームで連続ブレークに成功し、1-3から5ゲーム連取でセットを先取する。

第2セット、先にブレークしたナダルだが、ショットが安定せず。第5ゲームでブレークバックを許す。時折苦しそうな表情を浮かべるナダルは、時速190キロ超は出るはずのファーストサーブが時速170キロ程度となり、サービスキープに苦しむ。第7ゲームをなんとかキープすると、メディカル・タイムアウトを取って、治療のためコートの外に出る(この際、腹筋を気にする仕草を見せる)。

4回戦後の記者会見でナダルは、腹筋に貼られたテーピングについて問われ、「今はそのことについて話したくない。大会中なので対戦相手に敬意を表する。僕はただ毎日ベストを尽くすだけ。今のところ健康なので望む結果のために戦い続けるよ」と答えている。

プレー再開後もサーブのスピードは上がらないナダル。それでもストロークのキレがアップし、なんとかキープを続けると6-5で迎えたリターンゲームでブレークし。7-5でセットを取り返す。しかし、第3セットはフリッツが6-3で取り返す。

第4セットは開始3ゲームがブレークという展開に。ナダルのサービスゲームとなった第4ゲームもピンチを迎えるが、ドロップショットを活かしてキープに成功。その後もなんとかリードを続けたが、4-3で迎えたサービスゲームでダブルフォールトも出て、ブレークバックを許して4-4となる。しかし、ナダルは第11ゲームでブレークに成功。続くゲームをキープして7-5。最終セットに突入する。

その最終セットは、この試合を象徴するかのように拮抗した展開に。第6ゲームでナダルがブレークするが、直後にフリッツが奪い返す。そのまま、勝負の10ポイントタイブレークに突入する。1ポイント目、まずナダルがミニブレークに成功する。その後、互いに2本ずつミニブレークを奪い合う。

ナダルの2-5で迎えた8ポイント目、フリッツは初めてサーブをキープしたが、直後にミスが出てミニブレークを献上。2ポイントリードしたナダルは、さらに1本サーブを破ってマッチポイントを迎える。9-4で迎えたサービス、ナダルはセンターにサーブを入れて、3球目をフォアハンドのウィナー。大逆転勝利を果たした。

オンコートインタビューでナダルは、「みんなの前で、こういう試合ができることがとても楽しいよ。応援してもらってありがとう。素晴らしいプレーヤーとのタフな試合になった。テイラーは、今シーズンずっと素晴らしい活躍を見せている。決して楽な試合ではなかった。準決勝に進出できたことは素晴らしいことだよ」と大観衆の前で良い試合ができてうれしいとコメント。

腹筋の状態については「正直なところ、良くはない。サーブの打ち方を少し変えなければならなかった。試合中、最後までプレーできないんじゃないかと思った。だからこそ観客の皆さんのエネルギーに感謝している」と決して良い状態ではないと語っている。

続く準決勝、ナダルはニック・キリオス(オーストラリア/同40位)と対戦する。キリオスは準々決勝でクリスチャン・ガリン(チリ/同43位)をストレートで下している。



■ウィンブルドン2022
[THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4,035万ポンド(66億6,160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3,030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK

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写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma