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2022.07.11

選手情報

生涯ゴールデンスラム達成の国枝慎吾、記者会見で「東京パラリンピック以来の非常に特別な瞬間だった」と喜びを語る[ウィンブルドン]

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フェデラーにヒントをもらった戦い方で見事ウィンブルドンで初優勝

現地7月10日、ウィンブルドン車いすテニス男子シングルス決勝で第2シードのアルフィー・ヒュウェット(イギリス/同2位)に逆転勝利。ウィンブルドンのシングルスを初制覇し、生涯ゴールデンスラムを達成した第1シードの国枝慎吾(ユニクロ/世界ランク1位)が記者会見で「東京パラリンピック以来の非常に特別な瞬間だった。私のキャリアの中で最大のハイライトになるものだと思う」と語った。

【動画】ウィンブルドン初優勝!決勝ハイライト&ポストマッチインタビューをチェック

4-6、7-5、 7-6[10-5]、第3セット、相手にサービング・フォー・ザ・チャンピオンシップを握られた第10ゲームで見事ブレークし、10ポイントブレークの末に逆転優勝。通算50度目(うちダブルス22勝)のグランドスラム制覇を果たし、ついに生涯ゴールデンスラムを成し遂げた。記者会見の冒頭で、まず「非常にタフな試合だったよ。私のキャリアの中でも最もタフな試合の一つだった。決してあきらめないということが、この試合のキーポイントになったと思う」と試合を振り返った国枝。

今回の優勝は、50回の優勝の中でどの位置付けになるのか? と聞かれると「ベストだね(笑)」と答えている。
「今回の優勝は、芝生ということもあり、とても難しいタイトルだった。クレーコートでの戦績は良かったけど、これまで芝ではうまくプレーできなかったんだ。だから、自分にとって一番難しいタイトルが、ウィンブルドンだった。今年、ついにどのようにプレーすべきかを見つけることができた。だから、今は芝でもいいプレーができると言えるよ」と国枝。続いて勝因について「メンタルが私の最大の武器なんだ。自分自身に言い聞かせるんだ。私はできる。どうすればいいか、わかっている。それこそが唯一の方法なんだ」とメンタルこそが勝因だと語っている。

また、オンコート・インタビューで国枝は、ロジャー・フェデラー(スイス)にお礼を言っている。そのことについて、「去年、ゴードン(リード/イギリス)に1回戦で敗れたあと、ロジャーと話す機会があったんだ。私は、芝生でのプレーの仕方、ビハインド時の考え方を聞いて、『すべてのポイントを攻めるんだ。もしミスしても後悔しないようにね。それが重要なんだ』となった。そこからは、私は、もしミスしても、これは大丈夫だと思うようにしているんだ。そして、次のポイントではアグレッシブに攻める。それこそが芝生でのプレーのコツなんだ」とフェデラーに聞いた話が今回の優勝につながっていると説明した。

「東京パラリンピック以来の非常に特別な瞬間だった。私のキャリアの中で最大のハイライトになるものだと思う。本当にこのタイトルを取りたかったんだ。私は38歳、今日が最後のチャンスだと思っていた。だから、とてもうれしいんだよ」と国枝。そのキャリアの中でも特別な今回の優勝。日本に国枝慎吾あり、と改めてその偉大さを示す機会になったと言っていいだろう。



■ウィンブルドン2022
[THE CHAMPIONSHIP WIMBLEDON]
・大会日程/2022年6月27日(月)〜7月10日(日)
・開催地/イギリス・ウィンブルドン:オールイングランド・ローンテニス・アンド・クローケー・クラブ(時差8時間)
・賞金総額/4,035万ポンド(66億6,160万円)
・男女シングルス優勝賞金/200万ポンド(3億3,030万円)
・サーフェス/グラス(芝)コート
・TV中継・放送予定/WOWOW、NHK

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写真=田沼武男