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2022.08.29

選手情報

「数年後、常に4、5選手が100位以内に入ることが目標」日本男子ナショナルコーチ高田充氏が語る[USオープン]

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錦織圭選手については「心配しています」「チームの力が必要」

Q.日本人選手としては、錦織圭選手について現状をどう捉えていますか?

「心配しています。ケガから復帰したティエム(ドミニク・ティエム/オーストリア・同211位)も勝てない時期が続きました。ツアーから長期間離れて、復帰後の試合勘や自信もそうですが、ケガで試合に出られないというのは不安しかないはずです。誰かの活躍やランキングが上がってきたことに関しても気にはなるし、前のレベルまで戻れるのかも不安になるので、(サポートする)チームの力が必要になってきますよね」



高田氏が心配と語る錦織圭。いい形でのカムバックに期待したい


Q.ありがとうございます。いい形でのカムバックを願いたいと思います。最後に、今後の目標をお聞かせいただけますでしょうか。

「この10年間というスパンでは、100位以内のランキングになる選手が増え出した時代です。それを続けていきたいですね。島国であること、そしてテニス人口を考えるとヨーロッパのようにたくさんの選手は出ないかもしれない。その中で、2年後、4年後には常に100位以内に入る選手が4、5人いることが目標で、以前からですが、デビスカップで優勝を狙えるチームを作ることが自分の役割だと思っています。

USオープンもそうだし、チャレンジャー大会もそうだし、まずそこに選手がチャレンジしないことには始まりません。歴史もあるし、身近に(100以内に入る選手が)いることが大事。(練習コートにいるマッテオ・ベレッティーニ/イタリアを示して)彼という存在が、みんなを引っ張っているということがあります。今は西岡などが100位に入れるということを証明していることは大きなことです。それがどんどん増えていってほしいですね」

Q.その道のりは簡単ではないですね。

「簡単ではないですね。例えばイタリアなら1時間の飛行機の移動で試合ができる。アメリカもフューチャーズがあって大学テニスにも世界中からプロになりそうな選手が集まってくる環境があるから、高いレベルの中でプレーできますしね」

Q.逆に考えると、この条件の中で日本のテニスはよくやっているとも言えますね。

「そうですね。だからダメとかではなくて、その中で何ができるかですね。この中で良い道を探していくことです。ジュニアたちも南米に3ヵ月のツアーのような長期遠征を組んでいたりします。そういう中でやっていた選手が、プロになる過程でチャレンジャー大会にチャレンジし、相対することになればまた変化が起きると思います」

Q.日本人の持つ正確性やマジメさといった特性をアドバンテージとして活かせるでしょうか。

「そうですね。そこにパワーヒッターと対戦した時にどうするのかという経験をしていけば、対処法が分かります。日本人の中で通用しているパワーもここでは通用しないとなった時にどうしていくか経験していくことは大事です」

Q.サポートする側の力も大事ですね。

「そこまで潤沢に資金力があるということではないので、こういう活動をしているということを明確に出し、サポートしてくださるスポンサーの皆さまにご理解していただくということを今後も目指していきたいですね。この2年間は楽天ジャパンオープンもチャレンジャーも国内でできませんでした。これだけの方々が観戦に来られることは選手にとっても励みになりますよね」

Q.ツアー選手育成への熱い思いをお聞かせいただき、ありがとうございました。

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