close

2022.10.29

選手情報

伊藤竜馬が現役引退の添田豪を下し、4年ぶりの全日本テニス選手権4強! 準決勝で関口周一と対戦 [大会7日目男子試合結果&大会8日目試合予定]

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

SHARE

  • 著者をフォローする
  • 記事を保存

添田豪、盟友・伊藤竜馬に敗れ現役生活に終止符

10月28日、「大正製薬 リポビタン全日本テニス選手権97th」(東京・有明)の大会7日目を迎え、男子ではシングルス準々決勝の2試合とダブルス準決勝の2試合が行われた。

【画像】「全日本テニス選手権」男子シングルス・ダブルス組み合わせ

この日のハイライトとなったのは、なんといっても添田豪(GODAI)と伊藤竜馬(橋本総業HD)の試合だろう。ATPランキングの自己最高は2012年7月に添田が47位、同年10月に伊藤が60位とともにツアーで切磋琢磨し、デビスカップでも2010年から6年にわたって一緒に日の丸を背負った。

今大会前から互いに意識し、伊藤は添田が出場するからこそ今大会にエントリー。試合前は互いに緊張し、伊藤は「トイレ行く回数が多かった(笑) でも、添田君も結構行っていたようで、お互いソワソワしていた」と言う。

張り詰めた空気の中でスタートした試合は、序盤から激しいラリー戦が繰り広げられる。大会序盤こそ「勝たないといけないというプレッシャーも自分の中にあった」という添田だが、相手が伊藤ということもあり、「プレッシャーが抜けて、ぶつかり合うという感じ。背負っているものが取れた中での試合だった」と互いの良さを最大限に引き出した。

添田らしい正確で伸びのあるストロークを放てば、伊藤もパワフルなショットで応戦。添田の最後の勇姿を目に焼き付けようと観客は固唾をのんで見守り、1ポイントごとに歓声が上がって、またすぐに静寂を取り戻す。

両セットとも伊藤が先にブレークに成功するも、添田も負けじと追いつき試合はタイブレークへ。その中、勝負を分けたのは伊藤の熱い気持ちだ。「終わらせるなら僕だろうという気持ちがあったから最後押し切れたし、添田君もそれを感じていたかもしれない。(添田の)声を出して最後まで諦めない姿を見たからこそ、僕も最後までガッツを出していこうと思った」と、7-6(4)、7-6(5)で添田を押し切った。

現役最後の試合を終えた添田は、「ホッとしたというか、やっとこれで終わったなという感じ。もちろん悔しさはあるけれど、引退を自分の中で決めてからこの大会まで長くて、引退したと自分の中で決めた瞬間、引退したような気持ちになっていた。自分の中で悔いの残らないようにと思って、優勝目指してここまで頑張ってきた。これで現役生活が終わって、今はどっちかというと喜びの方が強い。消化の悪い終わり方ではなく、本当に全部出し切って終わったので、いい終わり方だったんじゃないかな」と安堵した表情で語った。

もう一つの準々決勝では関口周一(Team REC)が、川上倫平(橋本総業HD)を3-6、7-5、6-2で下し、4年ぶり4度目のベスト4入りを果たした。

第1セットでは、3度のブレークを許して1-5とリードを広げられるも、「ポイントを取れる形が見えてきた。それでも自分が走って打たなきゃいけない。走るぞという覚悟を決めるのが大変だった」と川上のショットに食らいつき、追い上げを開始。

3-6で第1セットを落とすも、第2セットを先に攻撃を仕掛けて7-5で奪い返す。最終セットは、第1ゲームで先にブレークを許したものの、「川上選手の左利きのサーブに対して返球率は良かったし、ラリーにも持ち込めていた。気にしないと言ったらうそになるけれど、落胆するような状況ではなかった」と慌てることなくラリーを組み立てて4ゲームを連取。リード守り切って、川上を下した。

「結果も欲しいけれど、自分の納得できるプレーをしたい」と語る関口の次の対戦相手は伊藤。「胸アツですね(笑) 楽しみです。(添田と伊藤は)日本を引っ張ってきた選手たち。あの2人がいる全日本は最後で、その2人がいる中で全日本(タイトル)を取れたら価値があるし、そのつもりで今回も挑んでいる。あの2人がいる時に取れたら3回のベスト4も帳消しになる」と、対戦を待ちわびた。

<10月28日の男子シングルス準々決勝・ダブルス準決勝試合結果>
【シングルス準々決勝】
○関口周一(Team REC)[4] 3-6 7-5 6-2 ●川上倫平(橋本総業HD)[7]

○伊藤竜馬(橋本総業HD)[12] 7-6(4) 7-6(5) ●添田豪(GODAI)[2]

【ダブルス準決勝】
○上杉海斗(江崎グリコ)/松井俊英(ASIA PARTNERSHIP FUND)[1] 6-2 7-6(3) ●江原弘泰(エキスパートパワーシズオカ)/片山翔(伊予銀行)

○仁木拓人(三菱電機)/柚木武(イカイ)[4] 6-4 6-3 ●中川舜祐(伊予銀行)/野口政勝(エキスパートパワーシズオカ)

<10月29日の男子シングルス準決勝試合予定>
【コロシアム】
第2試合(第1試合11時開始):今井慎太郎(イカイ)[1] vs. 片山翔(伊予銀行)[8]

第3試合:関口周一(Team REC)[4] vs. 伊藤竜馬(橋本総業HD)[12]

※カッコ内は所属先。Q=予選勝者、WC=主催者推薦

無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。

無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。

いますぐ登録

写真=田沼武男 Photos by Takeo Tanuma